愛知・名古屋アジアパラ競技大会(読売新聞社協賛)は21日、陸上男子やり投げ(視覚障害F12・13)が行われ、川口市の若生裕太選手(29)が金メダル、弟でさいたま市緑区の拳太選手(26)が銅メダルを獲得した。兄弟そろってのメダル獲得となった。
2大会連続の金、初の国際大会で銅
裕太選手は2023年の前回アジアパラ大会で銅メダルを獲得しており、2大会連続のメダル。拳太選手は今回が初の国際大会ながら、実力を発揮した。
競技では、会場の手拍子や「ニッポン」コールの中、裕太選手は2投目で59メートル66と今季の自己最高記録を出した。拳太選手も3投目で自己ベストの58メートル60を記録。投げ終えると、2人は固い握手を交わしてお互いをたたえ合った。
難病を乗り越え、家族のために
裕太選手は2017年、視力が悪化する難病「レーベル遺伝性視神経症」を発症。大学のサークルで野球をしていた際に白球が見えづらくなったのが異変の始まりだった。日常生活にも支障が出るようになり、「この先どうなってしまうのか」と不安が募った。
この病気は母系遺伝で、母・佳奈子さんは責任を感じて涙を流したという。その姿を見た裕太選手は「悔しさと申し訳なさがこみ上げてきた」と振り返る。これ以上母を悲しませたくないと、「落ち込んでいたら駄目だ。前に進んでいる姿を見せたい」と決意した。
「兄弟で世界へ」の目標を実現
拳太選手も2024年に発症。落ち込むこともあったが「自分も同じようになる確率は高いと思っていた」と受け止め、数か月後には兄と同じ競技を始めた。それまでボディービルダーとして鍛えてきた筋力を生かし、着実に力を伸ばした。
2人で競技を始めた時から「兄弟で世界へ」が目標だった。夢をかなえ、裕太選手は「2人そろってメダルを獲得でき、誇りに思う。幸せな気持ちでいっぱいだ」と語った。拳太選手も「人生最高の瞬間だ」と喜びをかみしめた。