仙台市で25日に開催される第44回全日本大学女子駅伝(読売新聞社など主催)に、地元の東北大が32年ぶりに出場する。学業との両立を図りながら結束を強めてきた選手たちは「新たな歴史を作りたい」と熱い思いを胸にレースに挑む。
医学部生の主将がチーム結成
同市若林区の広瀬川河川敷で今月10日、東北大陸上競技部・女子駅伝チームの選手たちが、舗装されたランニングコースで汗を流していた。トラックより硬い公道を走る駅伝に向けて、今月から始めた練習だ。選手たちに大会の経験値が少なく、試行錯誤しながら準備を進めている。
チーム11人を率いるのは佐伯紅南主将(2年)。昨秋、大会運営をサポートする補助員を務め、中継所で走り終えた選手を介抱した。出身の富山中部高校(富山市)では、夏の全国高校総体の陸上800メートルに出場して冬の全国高校駅伝も経験しており、「仙台にいるんだから選手として出たい」との思いがわき上がった。
たすきをつなぐ楽しさを実感
東北大は1994年の初出場を最後に大会から遠ざかり、陸上競技部には女子駅伝チームもなかったため、佐伯選手は中長距離専門の部員に声をかけてメンバーを集めた。今年1月には早速、埼玉県で行われた国公立大学の駅伝大会に出場し、3位入賞。チームは「たすきをつなぐって楽しいね」と盛り上がり、全日本大学女子駅伝出場を目指すことになった。
選手たちは、研究や講義、就職活動などの合間を縫って練習を重ねた。医学部の佐伯主将は特に忙しく、練習に参加できない日がある分は早朝や講義後に走り込んだ。「解剖実習後、ホルマリンのにおいを漂わせながら走ったこともあった」と話す。
オンラインで共有し結束強化
専門種目との両立に悩む選手もいたが、佐伯主将がオンラインで練習内容や体調、悩みを共有する記録表を作り、メンバー全体で解決していった。鈴木万結選手(大学院2年)は「紅南ちゃんは練習中も暇さえあれば勉強していて、一番忙しいはずなのに必死に駅伝と向き合っている。やる気に応えたいとついてきた」と振り返る。
その結果、9月の東北地区選考会では各選手が安定した走りを見せ、出場3校中トップとなって本戦出場を決めた。グラウンドを訪れる卒業生たちからは「おめでとう」「出場を心待ちにしていた」と激励を受けている。佐伯主将は「期待に応えられるよう、自分たちの力を出し切りたい」と活躍を誓う。