サッカーキリンカップで日本代表は1日、エクアドルと0-0で迎えたPK戦を5-4で制した。この試合で注目を集めたのが、GK鈴木彩艶のキックだ。彼がボールを蹴るたびに、会場がどよめいた。
観客も認識する「チャンスが生まれる」キック
鈴木は「観客の皆さんもチャンスが生まれると認識してくれている。やりやすい雰囲気だった」と語る。立ち上がりにはFW谷村海那へ長いパスを出し、前線に上がったDF瀬古歩夢にヘッドで競らせる場面も。MF久保建英には低く鋭いボールを送り、そこからサイドへの展開で好機を生み出した。
時には手ぶりで味方の立ち位置を指示し、高低、長短、緩急をつけた様々なボールを蹴り込んだ。
プレミアリーグで磨いた武器
今夏、イングランド1部のアストンビラへ移籍した鈴木は、日本人GKとして初めてのプレミアリーグ挑戦で定位置を確保。9月にはチーム月間MVPに選ばれた。特に評価されているのがキック力とその正確性で、「自分の武器が相手の脅威になっているのは自信になる」と語る。
日本代表としても、この世界レベルの一芸を生かしたい考えだ。ワールドカップ(W杯)北中米大会のブラジル戦では、後半に自陣へ釘付けにされて逆転負けした経緯がある。GKのキック1本で相手ゴールに迫る攻め方をチームの共通認識として持っていれば、局面を変えられたかもしれない。
PK戦で勝利に貢献
W杯後初めて先発したこの日は、パスがずれたり前線の選手の動き出しとタイミングが合わなかったりするシーンもあったが、それは伸びしろの裏返しだ。主将のMF堂安律は「戦術の一つになる」とうなずく。
PK戦では相手の3人目をストップし、勝利に導いた24歳の守護神。攻撃の起点としても、日本の進化のカギを握る。