義足の井谷選手、事故死の上与那原さんしのびステッカー制作 アジアパラへ
義足の井谷選手、上与那原さんしのびステッカー制作 アジアパラへ

事故で亡くなった仲間を思い、愛知・名古屋アジアパラ競技大会(読売新聞社協賛)に挑む義足のランナーがいる。陸上男子短距離の井谷俊介選手(31)(SMBC日興証券)は、9月末に練習中に交通事故で亡くなったパラ陸上(車いす)のメダリスト・上与那原寛和さんをしのび、ステッカーを作製。競技を問わず希望者に配る予定だ。

支えてくれた先輩への思い

井谷選手は大学2年だった2016年にオートバイ事故で右膝から下を切断し、義足で陸上を続けてきた。温厚で面倒見がよかった上与那原さんとは障害のクラスも種目も異なるが、同じ企業に所属した縁で親交を深めた。21年東京パラの出場権を逃し、自暴自棄になった時には「くじけずに頑張らないといけないよ」と励まされた。「愚痴をこぼすたび、温かい言葉をかけてくれる。父親ほど年が離れていたけど、友達みたいな存在だった」と振り返る。

ステッカーに込めた決意

突然の訃報を受け入れられずにいたが、「ばるさんは不屈の闘志を持つ人。これからも一緒に戦えるよう、何か形にしたい」と思い立った。東京パラでの写真を参考にイラストを自作し、「Keep Running For BARU(ばるさんのために走り続けよう)」の文字をあしらった。ステッカーをさまざまな場所に貼って、ばるさんの想いとともに歩んでいきませんか――。

輪を広げ、ロサンゼルスへ

SNSで発信すると、上与那原さんが昨年優勝した大分国際車いすマラソンの関係者など70人以上が賛同してくれた。ステッカーを通して障害や競技の壁を越え、パラアスリートの輪が広がることを願う。アジアパラ大会では200メートルと走り幅跳びで金メダルを狙う井谷選手は「ばるさんが目指したロサンゼルス・パラまで駆け抜けたい」と話している。ステッカーの問い合わせは井谷選手のインスタグラム(@itani.shunsuke)へ。