第39期竜王戦本戦3回戦で、柵木幹太五段が前期挑戦者の佐々木勇気八段に完勝した。相掛かり戦を制し、快進撃を続けている。
相掛かり戦を制す
振り駒で先手番となった柵木五段は▲2六歩と突き、佐々木八段も呼応して飛車先の歩を伸ばし、戦型は相掛かりとなった。解説の飯島栄治八段は「柵木さんの先手相掛かりは強力です。トップクラスにも通用すると思います」と語った。
柵木五段は▲4六歩から▲4七銀とじっくり駒組みを進め、佐々木八段の△7五歩に対し、わずか4分で▲9七角を決断。研究会で経験があったものの、細かい認識は曖昧だったといい、この時点で試してみたかったアイデアを思い出していたという。
冷静な決め手
飯島八段は「私があそこに座っていたかもしれないんですよね」と冗談めかしつつも寂しげに語った。ランキング戦4組準決勝で藤本渚七段を倒しながら、続く決勝戦の長谷部浩平六段戦に敗れて優勝と本戦入りを逃したためだ。その長谷部六段を本戦で打ち破ったのが柵木五段で、本人には浮ついたところがない。
佐々木八段は前期、前々期と藤井聡太竜王に挑戦しており、ここまでの相手とは格が違う。1組勢と当たる本局からが本当の挑戦ロードであり、連なる高い壁を乗り越えてこその竜王戦ドリームである。
本局は7月18日の土曜日に行われ、翌日が奨励会の例会だったこともあり、記録係は午前中に相川春香女流初段、午後から伊藤沙恵女流四段が務めた。旧会館の頃は地方から来る奨励会員が記録をとって宿泊し、そのまま例会に臨むことも珍しくなかったが、新会館にはそもそも宿泊施設がなく、これも時代の流れのひとつという。