立命館宇治、2年生主将・江原雅登が甲子園初戦へ
立命館宇治、2年生主将・江原雅登が甲子園初戦へ

第108回全国高校野球選手権大会(甲子園球場)に出場する立命館宇治(京都)を引っ張るのは、2年生主将の江原雅登捕手だ。高校野球では最上級生の3年生が主将を務めるのが一般的で、出場49校の中で2年生主将は江原主将だけ。7日の第3試合で当たる有明(熊本)との初戦へ「学年にかかわらず、チームをまとめて戦いたい」と力を込める。

チーム初の下級生主将

立命館宇治は昨夏、京都大会準決勝で敗退。これまで主将は立候補制で決めていたが、現3年生で手を挙げる選手はいなかった。そこで里井祥吾監督が目を付けたのが、1年生でベンチ入りし、物おじせずに声を出す江原主将だった。「先輩にも遠慮なく発言できる彼に託そう」と指名し、チーム初の下級生主将が誕生した。

本人は当初、「入部したばかりで先輩の人柄も分からない。どう接し、何を伝えたらいいのか」と戸惑った。藤川昊大選手(3年)が「正直、生意気だと思った」と振り返るように、上級生にもわだかまりがあったという。

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「細部にこだわる」で信頼獲得

それでも、中学時代も主将を務めた経験から「周りの目を気にしてもチームは強くならない」とすぐに気持ちを切り替えた。同じ失敗を繰り返すことがチームの課題だと感じ、「細部にこだわる」ことを徹底。練習中から細かなミスでも部員に活を入れた。最後まで残って練習し、部室やグラウンドの清掃を率先して行う主将を、先輩たちも次第に受け入れるようになった。藤川選手は、江原主将が上級生に言いにくいことを代わりに伝えるなど、サポート役を引き受けるようになった。

京都大会決勝で先制打

今夏の京都大会決勝で、江原主将は3番打者として先制打を放つなど活躍。10―3と快勝してチームを甲子園出場に導いた。同じく中心打者の増沢裕星選手(3年)は「捕手、打線の中軸、主将としてチームを引っ張り、堂々としている」とたたえる。里井監督も「先輩も支えてくれている。江原の前向きな姿勢がチームに勇気を与えている」と信頼を寄せる。

聖地での初戦に向け、江原主将は「守備からリズムを作り、まず先制点を取りたい。勝ちにこだわっていく」と意気込んでいる。

専門家の見方

関西大の神谷拓教授(スポーツ教育学)は「ほかのスポーツや企業でも、年齢ではなく『リーダーに何を求めるか』という視点でのトップ選びは進んでおり、高校野球でも同じ流れが生まれているのは歓迎できる。ただ、生徒たち自らが選ぶ方がより良いあり方だろう」と話す。

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