盛岡大付が中桐の大会初打席サヨナラ打で4強進出、一関学院も延長戦制す
盛岡大付サヨナラ4強 中桐初打席で千金打

第108回全国高校野球選手権岩手県大会は20日、きたぎんボールパーク(盛岡市)とJALスタジアム花巻(花巻市)で準々決勝4試合が行われ、ベスト4が出そろった。盛岡大付は中桐銀二郎選手(2年)の大会初打席となるサヨナラ打で勝利。花巻東は久慈にサヨナラ勝ちし、2020年の独自大会を含め9大会連続の4強入りを果たした。唯一の公立校である一関一は32年ぶりに準決勝へ進み、一関学院も延長戦を制した。準決勝は22日、同ボールパークで行われる。

中桐、初打席でサヨナラ打

同点の九回二死一、二塁。八回から途中出場した盛岡大付の中桐選手が初球をフルスイングすると、打球は遊撃手の頭を越え、サヨナラ打となった。ナインは歓喜の渦に包まれた。

本職は制球力が武器の右腕投手の中桐選手は、「投手としてチームに貢献しよう」と、今大会の開幕後はほとんど打撃練習を行わず、投球練習に専念していた。3回戦では2番手として登板し、3回を無失点に抑えていた。

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練習中や寮生活で気さくに声をかけてくれる3年生と「一日でも長く野球をしたい」と思って臨んだこの試合。「当てにいかずフルスイングしろ」とアドバイスされていたことを思い出し、力強くスイングすることだけを考えたという。

大会初打席で結果を出したが、「先輩たちのおかげ」と謙遜する。早くも次戦を見据え、「登板したらゼロに抑えて、先輩たちと甲子園に出たい」と語った。

一関学院、延長11回の末に村井が決勝打

一関学院は水沢工との延長戦に突入。タイブレイクの延長十一回二死満塁で、村井瑛地主将(3年)が打席に入った。味方ベンチから「打ってくれ」と託され、フルカウントまで粘り、スライダーを打ち返すと、勝ち越しの3点適時二塁打となった。塁上からは、泣き崩れる3年生たちの姿が見えた。

昨夏の県大会で花巻東に敗れて以降、「自分たちの代で花巻東を倒す」ことだけを考えてきた。そのため、チームで「全力疾走」「5分前行動の徹底」など「100個の目標」を設定。大会前まで全てを徹底し、「チームには粘り強さが身についた」と村井主将は語る。

この試合、粘った末の決勝打に「成果を出せた」と手応えを感じた。「目の前の一戦一戦を大切に戦うだけ」と、次なる目標達成に向け、一歩ずつ歩みを進めている。

久慈・中居、帽子の「度胸」で好投も敗れる

久慈のエース中居凌投手(3年)は、同点で迎えた六回二死一、二塁のピンチで、マウンドで帽子のつばの裏にある「度胸」の2文字を見つめた。「ピンチこそ楽しもう」と内角に直球を投げ込み、相手打者を二ゴロに打ち取ると、ガッツポーズをして喜んだ。

昨夏、チームは花巻東にコールド負け。周囲から「強い」と評されていた先輩たちの敗戦をスタンドから見届け、「悔しい。絶対にリベンジする」と誓った。

ずっと「気の弱さ」が悩みだった中居投手は、マウンドに立つと周囲の目が気になり、投球に集中できず打ち込まれることもあった。「変わらなければいけない」と思い、昨夏の大会後、帽子に「度胸」と書き込んだ。試合中にピンチの場面で見つめると、自然と気合が入るようになった。

試合には敗れたが、七回途中被安打4で1失点の好投。中村健監督は「よく粘り、普段以上の力を出してくれた」とたたえた。中居投手は「泣きたい気持ちもあるが前を向くしかない。後輩たちには来年こそ花巻東に勝ってほしい」と晴れやかな表情でグラウンドを後にした。

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花巻東、粒来のサヨナラ打で勝利

花巻東は久慈との接戦を制した。サヨナラ打を放った2番・粒来琉雲選手(3年)は「『楽に行け』との伝令で力みがほぐれ、集中できた。打ったのは直球で、ボールが止まっているように見えた」と振り返った。