夏の甲子園を盛り上げる高校野球の「応援ダンス」がこの夏、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)のグラウンドで観客を前に初めて実演される。アップテンポに編曲された夏の大会歌「栄冠は君に輝く」にあわせ、高校生たちの思いが弾む。高校野球ファンのみなさんも、踊ってみませんか。
開会式直前の午後3時45分から披露
応援ダンスは大阪府立箕面高校ダンス部のメンバー約70人が踊る。この夏の第108回全国高校野球選手権大会の大会CMとしてテレビ放映されている。8月5日の開会式直前の午後3時45分から甲子園で披露される。
大会CMに高校生らの応援ダンスが取り入れられたのは第97回大会(2015年)から第101回大会(19年)まで。応援ダンスはCM用だったが、高校野球ファンに向けた甲子園での実演は今大会が初めてだ。
第100回記念大会では、大阪府内のダンス強豪の3校(同志社香里、今宮、登美丘)が共演し、話題になった。
全国屈指の強豪「箕弾」
箕面高校ダンス部は、4月に東京であった全国大会「マイナビ HIGH SCHOOL DANCE COMPETITION 2026 FINAL」の2部門に出場。日本高校ダンス部選手権では6度の優勝経験がある全国の強豪チームで、「箕弾(みのだん)」の愛称で親しまれている。
箕面高校の応援ダンスは、20年の第102回大会の大会CMとして計画されていた。
コロナ禍で幻に
だが、コロナ禍で大会は中止に。大会CMの撮影は「幻」になった。
6年ぶりとなった大会CMの撮影は5月、大阪府吹田市の球場であった。3年生はこの日が引退日だった。
「球児のみんなのために踊ろう」。撮影中、ダンス部のコーチを務めるプロダンサーの石井斗真さん(21)が部員を見守っていた。
コロナ禍で大会が中止となった年、大会CMの代わりに、部員がそれぞれ自宅などでスマートフォンのカメラでダンスを撮影し、それらを組み合わせた球児への応援動画が作られた。
石井さんは当時高校1年生。コロナ禍で、先輩たちと一緒にいられたのは基礎練習のわずかな時間だけ。みんなマスクを着用し、お互いの顔も見られなかった。
石井さんは今回のCM撮影では振り付けを担当した。部員たちには「踊れることは当たり前じゃない。自分の思いを届けられるように踊ろう」と繰り返し伝えた。
ダンス部伝統の「POP&LOCK」を基本に、球児にエールを送ろうと明るいイメージのダンスを考えた。
サビに思いを込めた
「♪ああ栄冠は君に輝く」というサビの部分は、高校野球ファンにも踊ってほしくて、バットを振り切る動きなどシンプルな振り付けにした。
部長の目黒掬乃(きくの)さん(3年)は姉も同校ダンス部出身。高校生だった姉が出演するイベントを見に行ったことがある。コロナ禍の影響で姉たちはマスク姿で踊り、見ている人たちは無言だった。
「今は、目いっぱいダンスができることにありがたみを感じている。私たちのエネルギーを見ている人たちに届けたい」
球児のテンション上げたい
副部長の中道日向吾(ひゅうご)さん(3年)は小学生でダンスを始めたものの、中学では剣道部。だが同校ダンス部の3年生の引退公演を見に行って、ハマってしまった。「体を使って自分の思いを表現する先輩たちのダンスが格好よかった」。だから、高校では2年余り、ダンスに全力で打ち込んできた。「見ている人に影響を与えたい」
箕面高校に野球部はない。中学時代は野球部員だった川口大翔(はると)さん(2年)は高校からダンスを始めた。今回のCM撮影について、「自分たちのダンスで球児のみんなのテンションが上がってくれたら」。
アレンジは森大翔さん
ダンスに合わせた大会歌は、シンガー・ソングライターでギタリストの森大翔(やまと)さん(23)がギターアレンジした。10代でエレキギターの世界大会「Young Guitarist of the Year 2019 powered by Ernie Ball」で優勝した若き実力者だ。
メロディーはビートが強調され、野球を通じて心拍数が上がっていくような躍動感がある。
大会CMは8月22日予定の選手権大会の決勝まで、テレビ朝日系列を中心にテレビ放映される。応援ダンスが登場するコンテンツ「第108回全国高校野球選手権大会CM(フルバージョン)」は、朝日新聞の公式YouTubeチャンネルでも配信している。



