夏の全国高校野球選手権県大会は21日、4回戦8試合が行われ、8強が出そろった。加藤学園は粘る日大三島を振り切って辛くも勝利した。常葉大菊川は春準優勝の浜松商を下した。静岡、桐陽、磐田東は、それぞれ1点差の接戦を制した。準々決勝は23日に行われる。
加藤学園、初回先制2ランで流れ掴む
強豪私学の東部対決は加藤学園に軍配が上がった。加藤学園は初回、安打と盗塁で二死二塁のチャンスを作り、4番・蓮見龍一選手(3年)が「先制点を取りたい」と甘く入ったボールを捉え、打球はレフトスタンドに突き刺さった。ダイヤモンドを悠々と回ってホームで仲間に迎えられると、ハイタッチして喜んだ。
加藤学園は四回に右中間を突き破る適時三塁打で2点を追加したが、日大三島も直後の五回に2点反撃。互いに譲らない緊迫した戦いが続いた。
スクイズで貴重な追加点
勝負は五回裏だった。加藤学園が一死満塁の好機を作ると、米山学監督が「1点を入れて突き放す」とスクイズのサインを送った。5番・福岡丞太朗選手(2年)は「何度も練習してきた」と一塁の手前に転がし、貴重な追加点を決めた。加藤学園はその後も毎回得点圏に走者を背負ったが、継投で逃げ切った。米山監督は「紙一重の試合だったが、選手がよく踏ん張った」と奮闘をたたえた。
浜松学院興誠・盛山、救援登板も敗戦
初回に4点失い、苦しい場面でマウンドを託されたのは、浜松学院興誠の盛山龍人投手(2年)。「抑えてやろう」。二死一、二塁で打者を二ゴロに打ち取り、拳を握った。三回二死満塁のピンチを迎えると、1年の頃から磨いてきたスライダーで空振り三振に仕留めた。
1年秋にエースに選ばれて以降、スランプに。試合で活躍できず、今春の県大会は背番号11になった。投手を諦めかけたが、「ピッチャーとして活躍したい」という入部時の気持ちを思い出し、一念発起。動画で制球力の付け方や球速の上げ方などを勉強し、練習試合で完封勝利を挙げるなど結果を残して、背番号1を勝ち取った。
この日は五回途中で降板したが、112球を投げきった。試合に負け、「先発して完投したかった」と下を向いたが、「次は自分が完投してチームを勝たせる」。そう誓い、球場を後にした。
富士市立・臼井、1失点完投勝利
富士市立のエース臼井遥都投手(3年)が9回1失点で完投勝利した。2点リードの九回二死一、二塁のピンチ。ミットめがけて投げたスライダーで1番打者を内野ゴロに仕留めると、スタンドから歓声が湧いた。
入部当初は野手だったが1年秋に投手に転向。球速を上げるためトレーニングに取り組み、昨秋から球速を8キロ上げて今夏に142キロを記録した。変化球も磨き、背番号1で今大会に臨んだ。この日、直球や変化球を織り交ぜて120球を投げきった。試合後、「このまま甲子園まで勝ち進みたい」と誇らしげだった。



