智弁和歌山・川原、膝つきスクイズで同点 粘り強さで4度目V
智弁和歌山・川原、膝つきスクイズで同点 4度目V

第108回全国高校野球選手権大会の決勝が22日、兵庫県西宮市の甲子園球場で行われ、智弁和歌山(和歌山)が4―3で健大高崎(群馬)を破り、2021年以来、4度目の優勝を果たした。

八回に逆転、救援の久葉が締める

智弁和歌山は1点を追う八回、川原のスクイズなどで2得点して逆転。救援の久葉が九回を抑えて逃げ切った。健大高崎は八回に石田雄の2ランで一時は逆転したが、踏ん張り切れなかった。

「失敗してもいいから自信を持っていけ」

八回に逆転され、相手が思い描いていたような展開でも、智弁和歌山の中谷監督は「勝機がある」と考えていた。「後攻だから、早く追い付けば」――。紙一重の戦いをくぐり抜けた経験も、1点をもぎ取る執念もチームにはあった。

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その裏、先頭の4番山田が死球で出塁。楠本は低めの球をすくい上げる巧打でつないだ。代打の主将・松本は初球で犠打を決め、一死二、三塁となった。

7番川原に初球、指揮官はスクイズのサインを出した。しかし、カーブでタイミングを外され、ファウル。打球が相手捕手に当たり、治療のため試合が中断している間、中谷監督は川原に声をかけた。「失敗してもいいから、自信を持っていけ。もう一度いくぞ」

どのタイミングで「もう一度」を出すか。2球目、指揮官は相手バッテリーが警戒を緩めたと感じ取った。3球目、川原は「またカーブ。何が何でも決めるつもりだった」。膝をつきながらうまく球を転がし、同点。そして次打者への暴投で決勝点を手にした。

激闘の中で培った粘り強さ

準々決勝で18安打を放ち、準決勝では横浜(神奈川)のエース織田を攻略したが、和歌山大会でコールド勝ちは1試合しかない。甲子園の初戦は適時打が出ず、3回戦は延長戦にもつれ込む激戦だった。

ナインの多くは、5年前の全国制覇を見て「強打の智弁和歌山」に憧れ、入部した。川原は言う。「スター選手もいないし、打線も力強くない。それでも僕らなりの戦いでここまで来られた」。激闘の中で培った粘り強さで、頂点にたどり着いた。

智弁和歌山野球部の歩み

1979年に創部。春の選抜大会は94年に制し、準優勝は4度。夏は97、2000、21年に優勝していた。OBにプロ野球・日本ハムの西川遥輝外野手、広島の黒原拓未投手ら。

智弁和歌山・高嶋仁前監督は「両チームとも立派な戦いでした。八回、無死一、二塁にできたことが勝因だったと思います。(中谷監督は)捕手出身ですから、うまく投手を切り替えることができるのだと思います」と語った。

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