8月末の記録的な大雨による福井県内の住宅浸水被害が400棟を超え、発生から6日で1週間となる。生活再建に向けた復旧作業が続いている。
坂井市で後片付けに追われる住民
広範囲で浸水被害が起きた坂井市丸岡地区では、強い日差しが照りつける中、住民らが後片付けに追われている。母親(93)が一人暮らしをしていた実家で、娘の浜野陽子さん(67)は、夫の俊治さん(68)や6人のボランティアとともに、5日朝から作業にあたった。
8月29日夜から30日にかけて激しい雨が降り、部屋は最大35センチほど水につかった。たんすなどがぬれ、床が折れたり、畳が水を含んだりした。陽子さんらはタオルで汗をぬぐいながら、畳や家具などを外に運び出していた。
今は福井市の自宅で母親と同居する陽子さんは「床下の泥を取って床板も交換する必要がある。復旧までどれくらい時間がかかるかわからない」と話す。
作業場が床上浸水、消毒が必要に
パート従業員の前田尚子さん(62)は、自宅に隣接する作業場が床上浸水した。置いていたたんすが水につかり、ぬれた衣類の仕分けなどをした。前田さんは「今後は作業場の消毒をしないといけない。しばらく元の生活には戻れなさそうだ」と話していた。
知事が防災相に財政支援を要請
石田嵩人知事は5日、大雨被害の視察で来県した赤間防災相と福井市内で会談し、復旧に向けた財政支援などを要請した。
要請書では、今回の豪雨災害を早期に激甚災害に指定することや、公共インフラなどの復旧、被災者や事業者の支援などを求めた。
会談後、赤間防災相は「中小企業や生活者の支援などさまざまな面で一層サポートしていきたい」と話した。石田知事は「被災者の方が一日でも早く日常を取り戻すためにも、国の支援をしっかりと求めていきたい」と述べた。
避難行動の備え、専門家が呼びかけ
大雨が降る中、夜道の避難には危険が伴う。いつ、どこへ避難するかは、それぞれの住む環境によって異なる。防災の専門家は「日頃から大雨時の避難行動を考えておいてほしい」と呼びかける。
8月30日午前4時半、福井、大野、勝山の3市に危険度が最も高い「レベル5大雨特別警報」が発表された。「レベル5」では屋外に出ることも危険になるため、その前の「レベル4大雨危険警報」を目安に各自治体は避難指示を出した。
避難には、避難所など別の場所への「水平避難」と、建物の上方に逃げる「垂直避難」がある。その場の状況などを踏まえて、自分で判断する必要があり、自治体の対応も分かれた。
大野市は30日午前3時までに市内全域に避難指示を発令した。防災メールには、「外出が危険な場合は崖から離れた部屋に避難するなど、身の安全を確保して」と必ずしも避難所に行く必要はないと注意喚起した。
「レベル4」が出た坂井市は、避難指示を土砂災害の危険がある地区に限定した。同市危機管理対策課は「他の地区は道路が冠水しているため、避難指示を出すとかえって危険になると考えた」とする。
ハザードマップで事前確認を
日頃からどう備えればいいのか。福井工業大の西川隼人教授(防災工学)は、「事前にハザードマップで自宅周辺の危険性や避難方法、そのタイミングなどを確認しておくことが重要」と強調する。実際に大雨となったら、気象庁の情報サイト「キキクル」や河川の水位情報サイトで危険度を確認するといい。「過去に繰り返し冠水している低地などに住む人は、特に意識してほしい」と話している。



