熊本県八代市で29日に発生した震度6強の地震により、2022年に建て替えたばかりの市役所庁舎の免震構造が一部損傷した。小野泰輔市長は同日、地下1階の免震部分に大きなずれが生じていることを明らかにし、安全性が確認できないとして庁舎への立ち入りを制限している。
免震構造の損傷状況と対応
小野市長によると、地下1階の免震構造部分で、揺れや衝撃を分散するバネに大きなずれが生じている。市は災害対策本部や住民手続きに必要な部署の職員数十人に限って入庁を許可している。28日は避難先を求める市民を1階会議室に限って受け入れたが、市長は「できれば正式な避難所を利用してもらいたい」と話している。
市長は「10年前に2度の震度7を経験している私たちからすれば、もう一度大きな揺れがきた時に耐えられるのか、専門家に検証してもらう必要がある」と述べ、その上で「本庁舎の機能を移転するオプションも検討する必要がある」とし、2016年の熊本地震の際に本庁舎機能を移した鏡支所を移転先の候補に挙げた。
建て替えの経緯と汚職事件
現庁舎は地上7階、地下1階。2016年の熊本地震で被災したため建て替えられ、震度7程度の揺れにも耐えられる免震構造を備える。延べ床面積は約2万7千平方メートルで、総事業費は約171億円。当初の試算額112億円から大幅に膨らんでいた。
一方、この建て替え工事をめぐっては汚職事件が発生。市議が工費増額を市側に働きかけ、業者から6千万円の賄賂を受け取った罪などで今年起訴されている。SNS上では汚職の影響や施工不良の可能性を指摘する声も上がっている。
小野市長は「今は目の前の対応が最優先。(汚職との関連は)何とも言えない。今の免震機能があったから被害がこの程度で収まったかもしれないし、そうでないかもしれない」と話した。



