所沢市は、災害時に市の職員が駆けつけられない状況を想定し、住民だけで避難所を開設できるよう、開設手順をまとめたカード式の指示書や資機材を詰め込んだ「避難所開設スタートキット」を、小中学校など56か所の指定避難所の防災倉庫に配備した。「誰でもできる」をうたい文句に、市民に活用を呼びかけている。
能登半島地震がきっかけ
この取り組みは、2024年1月1日に発生した能登半島地震がきっかけとなった。深刻な建物被害と交通の途絶により、被災地の自治体でその日のうちに業務に従事できた職員は39%にとどまったとされる。
これを踏まえ、市は、職員が不在の場合でも、その場にいる住民に率先して避難所開設に取り組んでもらおうと、スタートキットを準備した。
キットの中身と開設手順
ホームセンターで扱っているような収納ボックスに詰め込まれたキットは、開設までの作業手順を示すカードのほか、軍手や拡声器、避難所の運営にあたるメンバーが着用するビブス(役割を示すメッシュベスト)などで構成されている。
住民だけでの避難所開設は、住民の代表や地域のまちづくりセンターなどが管理している鍵で防災倉庫の扉を開け、中からキットを取り出すことから始まる。「所長」を決めた上で、健康と安全を確保する「衛生班」、備蓄品を管理する「物資班」など5班に分かれ、カードの指示内容に従って作業を進める。
訓練と今後の予定
例えば、衛生班のカードには、〈1〉避難者のケガの確認・応急処置〈2〉ゴミ置き場の設置――などの手順が示されており、各班一斉に準備に動き出せば、2時間半から3時間程度で開設が可能だという。
市は11月の総合防災訓練で、避難所ごとにキットの扱い方等を確認してもらう予定だ。担当の危機管理室は「『誰でもできる・みんなでやれる』がコンセプト。協力をお願いしたい」としている。



