東日本大震災15年、埼玉県内避難者2129人 加須市が最多で福島・双葉町民を支援
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から2026年3月11日で15年を迎える中、埼玉県内への避難者は2月1日現在、55市町で計2129人に上ることが明らかになった。このうち最多は、福島県双葉町の集団避難者らを受け入れた加須市の370人で、同市は15年にわたって避難者の生活を支え続けている。避難者からは望郷の思いが根強く寄せられ、支援の継続が求められている。
埼玉県内の避難者分布と現状
埼玉県の集計によると、県内の避難者は加須市に次いで、さいたま市が165人、越谷市135人、川口市と春日部市がともに134人と続く。計2129人のうち、福島県からが2029人を占めており、2011年6月中旬時点での県内全体の避難者数2785人から減少したものの、今なお多くの人が帰還できない現状が浮かび上がる。この数字は、震災と原発事故の長期化に伴う避難生活の厳しさを物語っている。
加須市の取り組みと避難者の声
加須市は2011年3月末に双葉町の避難者を受け入れ、町の役場機能も市内の旧県立騎西高校に移された。翌4月時点で、同町からの避難者は約1400人に上り、今年2月1日現在でも約320人が市内で暮らしている。市は2011年6月から職員らによる訪問調査を開始し、年2回程度実施してきたが、コロナ禍で中断後、2020年からは郵送アンケートに変更。これまでに計29回の調査を行っている。
当初の2013年の調査では、「知り合いがいなくてストレスがたまる」「同郷で集まる場所がない」「早く帰りたい」など悲観的な声が多かった。しかし、2025年の調査では、「加須で生涯を終える覚悟」との記載がある一方、「故郷の復興状況を随時知りたい」「情報を多く出してほしい」との意見もあり、近年でも望郷の思いが目立つ。また、「支援に感謝。地域で楽しく交流している」との肯定的な声も寄せられ、市の支援策が一定の成果を上げていることが示された。
継続的な支援と今後の課題
加須市は、市民向けのデマンドタクシー(予約制の乗り合いタクシー)を避難者も利用できるようにするなど、生活支援策を続けている。原発事故により、双葉町は当時の全住民約7千人が避難を強いられ、加須市内には2013年まで役場機能が置かれ、その後は埼玉支所が設置された。両市町は2016年に友好都市協定を結び、連携を強化している。
双葉町は2022年8月に一部で避難指示が解除されたが、帰還できない地域の人たちが、今も加須市や福島県いわき市などで暮らしている。加須市の尾島篤・総務課参事兼課長は、「当初は職員が一丸となって避難者を支援し、市民の協力もあってここまで至った。今後も引き続き、避難者の古里に帰れないつらさに寄り添っていきたい」と述べ、支援の継続を誓った。
東日本大震災から15年が経過しても、避難者の生活再建は道半ばであり、地域社会の支えが不可欠となっている。埼玉県内では、加須市を中心にした取り組みがモデルケースとして注目され、今後の災害対策にも活かされることが期待される。



