横手市では、新規就農者を育てる研修事業「よこて農業創生大学校」を設け、担い手の確保と育成に取り組んでいる。今年3月に同校を卒業し、就農した2人の若手に、農業の魅力や今後の展望を聞いた。
移住して就農、スイカとコメ作りに奮闘
同市雄物川町矢神の三浦悠椰さん(20)は、宮城県内の農業高校を卒業後、母の実家に移住し、就農した。祖父の小野佐左衛門さん(76)に教わりながら、スイカやコメ作りに汗を流している。
これまでも栽培技術を学んできたが、「気温も育ち方も違うのでそれに合わせて管理をしないといけない。生き物を育てるということは難しい」と苦笑する。移住して3年目。知らないこともまだまだ多いが、「この場所を守れるよう、できることを増やしていきたい」と話している。
地域の景観を守りたい、若手が発信
同市十文字町源太左馬の斉藤臣さん(21)は、農業の魅力について「作業を通して様々な人と触れあえることだ」と話す。祖父の芳昭さん(74)に教わりながら、将来的に一人で農業経営ができるよう試行錯誤の日々を送っている。
地域の人が農業から離れ、地元に耕作放棄地が増えていることに寂しさを感じていた。元々農業に興味を持っていたこともあり、「この地域で農業を継いで、美しい景観も守りたい」と高校卒業後、実家の農家を継ぐことを決めたという。
今の目標は、若手が頑張っていることを発信し、地域を盛り上げることだ。「人手不足など課題はたくさんあるが、地道に続けて生産力を向上させていきたい」と意気込んでいる。
県内の基幹的農業従事者、若年層の確保が急務
農林水産省の2025年農林業センサス(確定値)によると、県内で農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者数」は、20年の前回調査から9567人減の2万4153人だった。40歳未満の割合は3.6%と低く、70~79歳の割合が45.0%を占めるなど、若年層の担い手確保・育成が急務になっている。
20ヘクタール以上耕作する経営体数は、前回調査よりも115増の1040経営体となった。大規模化が進行していることがうかがえる。だが、農地が点在し効率的な作業ができていないといった課題を抱えている地域もあり、今後は農地の合併や交換などで集約することが求められている。
今年度からは官民が共同して新規就農者の確保や情報発信などを行う事業も始まり、県農林政策課の担当者は「やる気のある若者を農業に呼び込み、持続可能な形にしていかないといけない」と話している。



