中国の「一人っ子世代」が中年期を迎え、親の介護という重い課題に直面している。頼れる兄弟姉妹がいないため、身体的・精神的・金銭的な「三重苦」を一人で抱えるケースが増えている。
要介護高齢者は4500万人超、介護サービス不足も深刻
国家衛生健康委員会と中国民政省の推計によると、中国の要介護および認知症の高齢者は4500万人を超える。これは高齢者の平均6人に1人が日常的な介護を必要としていることを意味する。
しかし、専門的な介護サービスの供給は大幅に不足しており、介護の負担は家族に集中している。その結果、無数の中年の一人っ子たちが、長期にわたる身体的・精神的な消耗、キャリアの断絶、経済的困窮といった幾重もの苦難に耐えている。
介護離職後の生活は親の年金頼み
38歳の張薇さんは、3年前に仕事を辞め、脳梗塞の後遺症を抱える母親を24時間体制で介護している。彼女は一人っ子で結婚もしておらず、子供もいないため、介護を分担する家族が誰ひとりいない。
張さんの母親は、突然の脳梗塞の後遺症で身体の動きが不自由になり、排泄をコントロールできなくなった。意識ももうろうとしており、以前のようにコミュニケーションを取るのは難しい。張さんは夜中に何度も起こされ、ぐっすり眠れた夜はほとんどないという。
経済的余裕があっても解決できない問題
一定の経済力がある中間層以上の一人っ子は、民間のヘルパーを雇うことで介護の負担を部分的に軽減できるが、その費用は高額で、長期にわたれば蓄えを使い果たしかねない。さらに、高齢者の情緒面のケアや急病時の対応、医療上や介護上の重要な意思決定など、お金では解決できない問題も少なくない。
こうした状況を踏まえ、一人っ子世代を対象にした支援体制の構築が求められている。介護の負担を社会全体で支える仕組みがなければ、一人っ子世代のさらなる疲弊は避けられない。



