中国残留孤児の高齢化と在日中国人の老後選択肢
中国残留孤児の高齢化と在日中国人の老後選択肢

高齢期を迎えた中国残留孤児とその家族が抱える不安や悩みが注目されている。東京都板橋区にあるデイサービス施設「一笑苑戸田」では、約40人の入居者を24時間体制で支える中、スタッフの多くが中国語を話す。施設の共通言語は中国語だが、スタッフは日本の介護施設と同等の専門研修を受け、質の高いサービスを提供している。

三世の介護職員が語る「天職」

同施設で働く三上氏(仮名)は18歳で中国から来日。祖母が中国残留孤児であり、自身も多くの二世・三世と同様に「完全な日本人でも完全な中国人でもない中間の存在」と感じている。現在、両親は70代で、利用者の介護に携わる一方、親世代の老いと向き合う立場でもある。「福祉の仕事は天職。人に頼られ、感謝される。やりがいがある」と穏やかな笑顔で語る。

在日中国人の老後意識調査

20代から50代の在日中国人十数人を対象にした聞き取り調査では、将来の老後について3つの意見がほぼ均等に分かれた。約3分の1が「日本で過ごしたい」と回答。理由として日本の社会保障や介護制度の充実を挙げた。別の約3分の1は「中国に戻りたい」とし、今後20~30年で中国の高齢者福祉が発展し、日本の水準を超える可能性に期待。残る約3分の1は「まだ考えていない」と答え、仕事や子育てを優先していた。

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日本を選ぶ理由と中国を選ぶ理由

日本を選ぶ背景には、世界的に整備された医療保険や介護保険への信頼がある。超高齢社会を経験した日本のノウハウは外国人住民にも魅力的だ。一方、中国を選ぶ人々は「落葉帰根」(葉は根元に帰る)の意識を持ち、故郷で余生を過ごしたいと考える。中国では高齢化が急速に進み、介護産業や医療技術への投資が拡大しており、将来的なサービス向上を見込んでいる。

もう一つの選択肢:日本と中国の往復

調査では「日本と中国でそれぞれ半年ずつ過ごす」という選択肢も浮上した。両国の良さを味わいながら暮らす老後は豊かな人生に思える。在日中国人の老後観は、単なる優劣比較ではなく、両国の発展や自身の人生設計に基づいて形成されている。今後の日中両国の社会保障制度や高齢者政策の変化が、その選択に大きな影響を与えるだろう。

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