早稲田に受かり日東駒専に落ちる 推薦入試の実態
早稲田に受かり日東駒専に落ちる 推薦入試の実態

リザプロ代表取締役の孫辰洋氏は、自らの経験と専門知識をもとに、令和の受験で無視できない推薦入試の実態を解説している。一般入試では模試によって自分の位置や合格ラインまでの距離が数字で明確に示されるが、推薦入試にはそのような指標が事実上存在しない。

模試がない推薦入試の苦しさ

一般入試を経験した人なら、模試の重要性をよく知っている。全国の受験生の中で自分がどの位置にいるのか、志望校の合格ラインまであと何点足りないのかが数字で分かる。数学を10時間勉強すれば模試の得点が数点上がり、英単語を500語覚えれば長文読解の速度が変わる。努力の量と合格可能性の距離感が明確に対応しているのが一般入試の優しさだと孫氏は述べる。

しかし推薦入試には模試が事実上ない。科目が定まっておらず、志望理由書、活動報告書、小論文、面接、プレゼンテーション、口頭試問など、大学や学部ごとに出題内容や形式が異なる。全国共通の物差しで自分の位置を測る手段はない。ある学部で高評価だった志望理由書が別の学部では「合わない」と一蹴されることも日常的に起きる。

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順位が分からないまま本番を迎える残酷さ

模試がないということは、自分がどの位置にいるのか最後まで分からないまま本番を迎えることを意味する。一般入試では「E判定からD判定になった」「共通テスト模試で目標点まであと30点」といった具体的な地図があるが、推薦入試の受験生はその地図を持たずに山を登る。自分の志望理由書が他の受験生と比べて深いか浅いか、活動実績がその学部の中で厚いか薄いかを判断する客観的な数字はどこにも存在しない。

保護者が「うちの子は本当に受かるのか」と不安になるのは当然であり、本人も志望理由書を書き上げた瞬間でさえ「これで大丈夫か」を確かめる術がない。この手応えのなさこそが推薦入試の最大の苦しさだと孫氏は現場で見てきたという。

早稲田に受かり日東駒専に落ちる

このような制度の特性から、早稲田大学のような難関校に合格しながら、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)といった中堅私立大学に不合格になるケースが普通に起きている。推薦入試では偏差値や模試の結果ではなく、志望理由書や面接など独自の評価基準で合否が決まるため、こうした逆転現象が発生する。

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