国政選挙で18歳が投票できるようになり10年。国は主権者教育の旗を振ってきたが、政治的中立性を定めた教育基本法のもと、高校で現実の政治・政策の議論を交わす授業は低調だ。政治的・社会的な課題を主体的に考える市民を、どう育てていくべきなのか。
私立高校の教室で憲法改正を議論
6月の平日、私立自由学園高等部(東京都東久留米市)の教室で、3年生35人が班に分かれて話し合っていた。テーマは、憲法改正の是非について。
ある班では、米トランプ大統領が日本に求めたホルムズ海峡への自衛隊派遣が話題になった。高市早苗首相は憲法を理由に要求をかわした。これについて、生徒の一人は「自衛隊が出動できない問題は解決した方がいい」と主張した。一方、別の生徒は「それって悪いことかな。私はむしろ助かったと思う」と指摘した。
専門家が指摘する「政治的中立」の曖昧さ
大畑方人教諭の授業について、東京大学教育学研究科教授の隠岐さや香氏は「政治的中立性」は教育の中身の問題か、教える教師の態度の問題かが曖昧なまま混同されていると指摘。慶応義塾大学教授の津田正太郎氏も、ジャーナリズムと同様に教育機関における政治的中立は難しい問題を抱えていると述べた。



