リザプロ代表取締役の孫辰洋氏は、推薦入試を「マッチングの入試」と表現する。就活での企業と学生のマッチングや、恋愛における相性に近い構造だと指摘する。
一般入試との違い
推薦入試が受験生にとって苦しい理由は、努力の方向を自分で決めなければならない点にある。一般入試では「数学の微積を強化する」「英語の長文をあと20題解く」といった明確な方向性が存在する。しかし推薦入試では、「この学部が求める人物像に自分をどう寄せていくか」という正解のない問いに向き合い続けることになる。
自分の関心を掘り下げ、社会課題との接続を探り、学部の教育方針を読み込み、教授の研究テーマを追いかける。志望理由書を書き直し、面接練習を重ねる。これらのプロセスには、「あと何時間やれば大丈夫」という目安がない。
それでも推薦入試を勧める理由
孫氏は、この入試で身につく力が大学入学後の人生のあらゆる場面で効き続けると述べる。自分の関心を言語化する力、社会と学問を接続する力、模範解答のない問いに向き合う力は、大学のゼミや就活、社会人になってからの仕事でも問われ続ける力である。
推薦入試の受験生は、模試という地図を持たずに自分の足で山を登ることを求められる。それは苦しい経験だが、その苦しさを経た子どもは自分の言葉で自分の進路を語れるようになる。孫氏は「推薦入試は楽な入試ではない」と強調し、一般入試とはまったく違う種類の難しさを持つと説明する。この違いを理解し、覚悟をもって選び取ることが重要だとしている。



