大分県教育委員会は、県立大分工業高校が国が進める高校教育改革を先導する拠点校に採択されたと発表した。県内では自動車や半導体などの製造業、建設業が盛んで、2028年度末までに企業水準の設備導入や新たな科目設定を進め、工業振興を担う人材育成を推進する狙いがある。
国の基本方針と県の計画
国は2月、少子高齢化や人材不足が一層深刻化すると見込まれる2040年を見据えた高校教育改革の基本方針を公表。AIに代替されない能力の伸長や地域経済の発展を支える人材育成などの方向性を示した。
国の基本方針に基づき、県教委は教育改革の実行計画を今年度中に策定する予定だが、計画策定・推進に先立って改革を行う拠点を国が募っていた。県教委は5月に4拠点を申請し、6月30日に大分工高が採択された。
大分工高の特徴と選定理由
県教委によると、県の基幹産業である製造業や建設業は担い手の確保が課題。大分工高は県内の工業系高校で最大規模で、機械、電気、電子、建築、土木、工業化学の6学科を有し、学科横断的な学びがしやすいことから工業人材育成拠点に選ばれた。
設備と新科目の導入
校舎を増改築し、半導体製造装置や金属加工装置など企業水準の機器を新設、学科に応じた実習室を整備する。また、「半導体テクノロジー基礎」(仮称)といった県の工業に特化し、複数学科の生徒が学べる科目を開発する。協力校となる高校11校の生徒も機器利用や高度な学びを受けることができる。
事業費と今後の予定
事業費は15億8000万円を上限に国が全額負担する。同事業費を計上した一般会計補正予算案を9月に開会する県議会定例会で提案する予定。
県教委高校教育課の鈴木耕平課長は「今までできなかった学びを得られる、なかなかない機会。県全体の工業人材の育成に広げていきたい」と話している。



