明法中高、中学で英語基盤プログラム「GSPf」開始、成果上げる
明法中高、中学で英語基盤プログラムGSPf開始

明法中学・高等学校(東京都東村山市)は、高校でのグローバル人材育成プログラムにつなげるため、中学でも2024年度から「GSPf(グローバル・スタディーズ・プログラム・ファウンデーション)」を開始し、成果を上げている。日本人教諭と外国人教員のチームティーチングにより、生徒たちは発音、語彙、文法に加え、ジェスチャーやリアクションまで含めた英語コミュニケーションの基盤づくりに取り組んでいる。中2のGSPf講座を取材した。

英語の運用能力を高め、マインドセットを変える

週1時間の英語講座と長期休暇中の英語研修を組み合わせた「GSPf」は、中1が必修で、中2と中3は選択制となる。今年度は、中2生39人のうち23人、中3生36人のうち19人がGSPfを選択している。

GSPfの英語講座は、日本人教諭1人と外国人教員2人のチームティーチング体制が取られており、教員とのコミュニケーションを通じて、生徒たちは発音、語彙、文法に加え、ジェスチャーやリアクションの効果的な使い方などを習得していく。長期休暇中は、通学型の集中講座「English Shower Camp」を行うほか、中2になると学外の体験型英語学習施設「Tokyo Global Gateway」を利用した半日研修を実施。中3ではさらに、福島県の「British Hills」での宿泊研修も行うなどグレードアップしていく。

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実施3年目を迎えたGSPfについて、導入の経緯やねらいを英語科の三河尻紀明教諭はこう説明する。「本校は、17、18年前から高校で『グローバル・スタディーズ・プログラム(GSP)』を実践し、グローバル人材の育成に取り組んできました。そのGSPに接続するための基礎づくりの場として設計したのがGSPfです。これからの時代は、文系・理系を問わず、外国人と協働して課題を解決していく力が求められます。日本語は生徒たちにとって思考言語ですので、日本語を大切にしつつ、異文化の人たちとの共通言語である英語の運用能力を高めてもらいたいという思いがあります。GSPfの授業は、基本的に英語で進行しますので、その環境に慣れて、マインドセットを変えることが大きなねらいです」

高校のGSPは「英検準2級以上を取得していること」が履修条件となっているため、GSPfにも学年ごとに到達目標が設けられている。中1は「英検4級レベルのスピーキング力を身につけ、自信を持って英語でクラスメートとコミュニケーションを取り、自分自身について話すこと」が目標だ。中2では英検3級レベルを目指し、質問に対して創造力を働かせて会話を膨らます力をつける。中3になると英検準2級レベル、実生活で効果的にコミュニケーションを取れるよう語彙力と対話スキルを磨く。

GSPfの導入前と後では、すでに英検取得率で効果が表れてきているという。GSPf1期生の現中3と現高1を比較すると、中1終了時点の英検4級以上取得率は、現高1が44.8%、現中3が60.5%で、15.7ポイント上昇、中2終了時点の英検3級以上取得率は、現高1が24.1%、現中3が44.4%で、20.3ポイント上昇している。

手厚い指導体制で「会話を膨らませる」授業

6月23日午後、第2英会話教室で行われた中2のGSPf講座を見学した。授業はヤップ先生とハッセルマン先生、三河尻教諭の3人で運営される。生徒23人に対して教員が3人付くという手厚い指導体制も特長の一つだ。

黒板には「What are you going to do this summer? / What will you do this summer?(今年の夏は何をしますか)」という一文が書かれており、この日は夏休みの予定や計画について話すことが予告されている。生徒たちにとって、身近で楽しい話題になりそうだ。

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ヤップ先生の軽快な活動指示により、ウォーミングアップのゲーム「Ghost Words」が始まった。「I always get up at 7AM.(私はいつも午前7時に起きます)」という例文がモニターに映し出され、ヤップ先生の範読のあと全員が復唱する。その後、徐々に例文から「always」「at 7AM.」などの語句が消えていき、指名された生徒が空白部分を埋めながら元の文を暗唱するというゲームだ。2問目、3問目と進むごとに例文は長く複雑になっていくが、指名された生徒は時にクラスメートに助けられながら、難しい文の暗唱に挑戦していた。

ウォーミングアップに続いて、話題はこの日のテーマである「夏休み」に移る。ここで三河尻教諭が前に立ち、「ice cream(アイスクリーム)」「in the summer(夏に)」「by train(電車で)」など夏休みに関連がある語彙を示すとともに、それぞれの語句を「What(何を)」「Where(どこで)」「When(いつ)」「How(どのように)」のカテゴリーに分類した。生徒たちはすでに、通常の教科学習やGSPfの中で5W1Hを学んでいるので、実際に5W1Hを用いて夏休みの予定を伝えたり尋ねたりすることがこの時間の主な学習活動だ。

疑問文と答えのマッチング、リスニングなども交えて5W1Hの英語表現を学んだ生徒たちは、授業の終盤、隣同士で夏休みの予定について会話する。「What are you going to do this summer?(今年の夏は何をしますか)」「I'm going to Hokkaido with my sister.(妹と北海道に行きます)」などと楽しそうな会話が繰り広げられる中、ヤップ先生、ハッセルマン先生、三河尻教諭の3人は、教室内を回って質問に答えたり、ジェスチャーやリアクションを交えて会話に加わったりしていた。

「一つ上を目指す」意欲的な生徒たち

授業のあと、GSPfを履修している中2生に話を聞いた。ある女子生徒は、将来のことを考えてGSPfを選択したという。「英語は苦手な科目なのですが、医療系の職業を希望しているので、話せたほうがいいだろうなと思って選びました」。英語に苦手意識を持っていたが、中1からGSPfを継続してきて、英語を話すことに慣れてきたという実感があるそうだ。「6月に校外学習で静岡県に行ったのですが、そこで外国人観光客の方と英語で話すことができました。GSPfでは英語を話す機会がたくさんあるので、学校の外でもその経験が生きたのかなと思います」

別の男子生徒は、幼稚園の頃から英会話教室で学んでいて、英語が得意だ。中2でGSPfを選択したのは、「もっとスピーキング力を高めたい」と考えたからだという。「小学生の時に通っていた英会話教室では、英語と日本語の二つの言語で教わっていました。GSPfでは、はじめから終わりまで英語で教わるので、その点がとても勉強になります」。この生徒は現在、英語の学習塾に通っているが、塾でもGSPfの成果が出ているそうだ。「以前より話せるようになったので、スピーキング力は付いていると思います」

女子生徒は英検4級を、男子生徒は同準2級を取得している。2人はともに「一つ上の級を目指したい」と意欲を見せた。

三河尻教諭は「はじめは単語単位でしか発話できなかった生徒が、節で話せるようになり、文章で話せるようになっていきます。発話の質、流暢さ、文法的な正しさなどの点で伸びている生徒は多いです。来年度はGSPf1期生が高校に進みますので、高校のGSPにスムーズに接続できるよう、プログラムの充実を図っていきたい」と語った。