共立女子中学高等学校(東京都千代田区)は今年度、約6か月間のニュージーランド「2ターム留学」プログラムを新設した。これまであった約10か月(カナダ)と約2か月(ニュージーランド)の留学プログラムの間を埋める内容で、充分な海外体験を積みつつ、帰国後は同級生と一緒の学年に進級できる。
新プログラムの詳細
「2ターム留学」は高1の1月下旬から高2の7月上旬までの約6か月間。英語科で国際交流部主任の草野美咲教諭は「『10か月海外に出るのはハードルが高いし、1タームだと現地の生活に慣れてきたところで終わってしまう』という声がありました。そこで今年度、ニュージーランドで半年間学ぶ『2ターム留学』を開始することになりました」と説明する。
今年度の対象者は高1生1人。希望者から学業成績や生活面、人柄を参考に選抜した。留学生はオークランドでホームステイしながら現地校に通う。必修科目(英語、数学、理科など)に加え選択科目があり、校外学習や特別英語授業など留学生向けプログラムも用意されている。草野教諭は「ニュージーランドは自然が豊かで治安もよく、安心して暮らすことができる国です。留学先のタカプナ・グラマースクールは現地では名門校として知られ、留学生を積極的に受け入れて手厚くサポートしているメリットもあります」と語る。
選ばれた高1の二見心愛さんは、中3でニュージーランド16日間夏季研修に参加した経験から応募した。「夏季研修では、15人の団体で異文化に触れる体験をしましたが、今度は1人で海外の生活をじっくり経験したいと考えました。前回もホームステイでニュージーランドの人々の温かさに接し、再び訪れたいと思いました」と話す。二見さんは陸上部所属で、選択科目に体育やダンス、さらにマオリ語を選ぶ予定。「ニュージーランドは多様な民族の混在する国だと分かりました。英語だけでなく、ぜひ先住民族の言語であるマオリ語も学びたい」と語る。
帰国後はそのまま高2に進級でき、卒業時期も他生徒と同じ。草野教諭は「日本で学んだ期間を基に成績が出る一方、ニュージーランドでの評価も得られ、推薦や総合型入試で高校生活の成果として提出可能です」と説明する。
交換留学の本格化
同校は、ニュージーランドのセイクリッドハートカレッジ・ローワーハット校と交換留学の提携を結んだ。今年1月から2月にかけて1人の留学生を約2か月受け入れ、活発な交流があったことから継続を決めた。今年度1月には2人の留学生を約3週間受け入れ、来年度夏休みに共立女子の生徒が相手校へ約3週間留学する。草野教諭は「交換留学を、生徒たちが海外の生徒を受け入れるおもてなしの姿勢を身に付ける機会としたい」と話す。
また、中高生対象にカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、アメリカ、イギリスでの夏季・春季語学研修など多数の国際交流プログラムを用意している。
国内での英語・異文化体験
同校は、海外プログラムに加え、国内で異文化に触れ英語力を伸ばす機会も充実させている。今年度から、高1~3年の希望者を対象に、外国人留学生とディスカッションを行う「Global Studies Program」を夏休みに2日間、校内で実施する。為替や物価高で海外に行かずに国際交流を体験したいニーズに応える内容で、リーダーシップに焦点を当てている。中1~3年を対象にした「イングリッシュシャワー」を発展させた形だ。
他にも、高1全員が体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」で2日間学ぶ「TGG研修」や、放課後にネイティブ教員と英会話を楽しむ「ランゲージスクエア」がある。授業ではネイティブ教員による英会話に加え、中学生全員がオンライン英会話レッスンに取り組んでいる。草野教諭は「学内での経験により、留学を希望する生徒は英語での授業を理解するのに必要な力を付けます。1ターム留学でも英語スキルが伸び、参加者全員が英語で滞在リポートを書けるようになります」と語る。
二見さんは中1の「イングリッシュシャワー」がきっかけで英語力の必要性を痛感し、中3の夏季研修、高1の「2ターム留学」へとつなげた。将来は航空会社国際線客室乗務員など英語力を生かした仕事を目指すという。
同校は「翔ばたく力」を学びの特長の一つとしており、草野教諭は「多様なグローバル・プログラムによって他者とコミュニケーションを取る力を育て、生徒たちの目標達成を支えていきたい」と述べている。



