近年、保護者からの相談で急増しているのが、「うちの子は選択問題や一問一答は解けるのに、記述問題になると手が止まってしまう」という悩みだ。中学入試、高校入試、大学入試のいずれでも記述問題の比重は年々増加しており、共通テスト導入以降、その傾向はさらに強まっている。知識の有無ではなく、自分の言葉で語れるかどうかが問われる時代となった。
一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事で『地頭力の正体』の著者である西岡壱誠氏は、記述問題に強い子と弱い子の差は、本人の努力や資質以上に家庭での会話の質、特に保護者の質問の仕方にあると指摘する。
記述に強い子の家庭に共通する「質問」
西岡氏によれば、記述問題にスラスラ答えられる子の家庭は、例外なく親からの質問が多いという。日常的に深い質問を投げかけられ、それに答えることに慣れている子どもは、記述問題という「問いに対して自分の言葉で答える」作業を自然にこなせる。一方、記述で手が止まる子の家庭では、質問の質が異なる。単に「学校どうだった?」といった浅い質問ではなく、より深い問いかけが必要だ。
記述に強くなる「芋づる式会話法」
西岡氏が提唱するのが「芋づる式会話法」だ。これは、子どもの答えを引き出すように質問を連鎖させる手法で、3つのステップからなる。
ステップ1:事実を尋ねる
まずは「今日、学校で何を習ったの?」など、具体的な事実を問う質問から始める。これにより、子どもはその日の学習内容を思い出し、言語化する練習となる。
ステップ2:理由を尋ねる
次に「それはなぜだと思う?」と理由を問う。これにより、子どもは知識を論理的に結びつけて考える力を養う。
ステップ3:応用を尋ねる
最後に「他にどんな場面で使えるかな?」と応用を促す。これで知識を柔軟に活用する力が身につく。
西岡氏は、「記述問題が苦手なのは、知識の動かし方を知らないだけ」と語る。家庭での会話を通じて、子どもが知識を自分の言葉で整理し、表現する習慣を身につけることが重要だ。



