推薦入試の誤解と実態:専門家が解説「早稲田に受かり日東駒専に落ちる」
推薦入試の誤解と実態:専門家が解説

大学入試のあり方はここ数年で大きく変化している。特に、推薦入試にまつわる誤解が多くの親や受験生の間で広がっている。推薦入試の専門家であり、推薦入試専門塾「リザプロ」の代表取締役である孫辰洋氏は、著書『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』でその実態を解説している。

「勉強しなくていいから楽なんでしょう?」という誤解

推薦入試という言葉を出すと、必ずと言っていいほど「一般入試より難易度が低いんですよね?」「勉強しなくていいから楽なんじゃないですか?」といった反応が返ってくる。確かに、共通テストで高得点を取ったり、二次試験で難問を解いたりするような学力の頂上決戦は、推薦入試にはあまりない。厳密には学力試験が課される大学や英語資格が必須の大学も多いが、一般入試ほど「学力一本勝負」ではない。そのため、「勉強しなくていい入試=楽な入試」というイメージが定着している。

しかし、このイメージは誤りだと孫氏は指摘する。リザプロではこれまで無数の受験生に伴走し、1万人以上から推薦入試の情報を集めたデータプラットフォーム「未来図」を運用してきた経験から、推薦入試には一般入試には存在しない独特の残酷さがあるという。

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「順位がわからないまま試験を受ける」という残酷

一般入試では、模試の結果や偏差値で自分の位置を把握し、対策を練ることができる。しかし推薦入試では、そのような定量的な指標が存在しない。受験生は自分の競争相手がどの程度の学力や活動実績を持っているのか、全くわからないまま試験に臨むことになる。この不透明さが、推薦入試の大きな困難さの一つである。

「同じ大学の別学部に受かる」は本来ありえない

推薦入試では、同じ大学の異なる学部を併願することが可能な場合があるが、実際には同一大学内で一方の学部に合格し、他方の学部に不合格となるケースが発生する。これは一般入試では考えにくい現象であり、推薦入試の選考基準が学力だけでないことを如実に示している。孫氏は、このような不合理さが推薦入試の特徴であると解説する。

それでも、推薦入試を勧める理由

こうした困難や矛盾があるにもかかわらず、孫氏は推薦入試を勧める。その理由として、推薦入試のメリットは計り知れないからだ。一般入試では測れない、受験生の人間性や意欲、活動実績が評価される機会となる。また、自分自身を深く見つめ直すプロセスを通じて、将来のビジョンを明確にできる点も大きい。推薦入試は「楽な道」ではなく、むしろ自己と向き合う厳しい道であるが、その先に得られるものは大きいと孫氏は結論づけている。

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