為末大さん「情報に振り回されず寛容に生きる力を」NIE大会で記念講演
為末大さんNIE大会講演 情報との向き合い方語る

第31回NIE全国大会広島大会(日本新聞協会主催)が7月30日、広島国際会議場(広島市中区)で開幕した。開幕に先立ち、陸上・世界選手権400メートル障害銅メダリストで東京大学先端科学技術研究センター教授の為末大さんが記念講演を行い、教員や中高生らによるパネル討議も開かれた。全国から集まった教育や新聞関係者らが耳を傾けた。

為末さんが語る情報との向き合い方

広島市佐伯区出身の為末さんは、「情報に振り回されず、寛容に自分を生きていく力」と題して講演。SNSの普及を踏まえ、「昔はテレビや新聞を見て、自分の見る情報はほかの人が見ているものと同じという感覚があったが、今は情報のソースが(人によって)全然違う」と指摘した。

その上で、SNS上の情報は発信者によって偏りがあるとし、「どんなバイアス(偏り)がかかっているのか知ることが必要では」と述べた。また、人工知能(AI)についても触れ、体験することは人間だからできると強調。「自分なりのものの見方を手に入れ、多くの人とシェア(共有)しながら、社会を作っていくことが大切だ」と語った。

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パネル討議「確かなニュースで育む『自分』と『平和な未来』」

続いて行われたパネル討議では、広島大名誉教授の小原友行さんがコーディネーターを務め、教員や中高生ら5人が登壇。ニュースに触れるきっかけについて議論した。朝のラジオ番組で新聞記事を紹介しているフリーアナウンサーの本名正憲さんは「大人も『なぜ』を持ち、子どもが興味を持てるように伝えることが大切」と強調。竹原市立賀茂川中教諭の藤原みのりさんは「教師が新聞を読ませるより、図書委員の生徒が紹介した新聞記事の方がよく読まれた」と自らの経験を語った。

新聞との関わりでは、中国新聞で「ジュニアライター」として活動する広島大付属高2年の矢沢輝一さんが「情報発信者として、幅広いニュースに触れて自分の客観性を保つように心がけている」と述べた。ノートルダム清心中1年の山田弥栄子さんは、学校の宿題で子ども新聞を作った経験から「自ら事実を取材し、自分の言葉でまとめて発信する楽しさを知った」と語った。

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