会計検査院の調査で、公立中学校の部活動で教員の代わりに単独で指導する「部活動指導員」制度について、2023~24年度の指導員の稼働時間のうち、教員も一緒に指導する「重複指導」の時間が3割に上ることが分かった。検査院は、どのような場合に教員の参加を認めるかが曖昧で、負担軽減への効果は限定的だと指摘し、スポーツ庁と文化庁に重複指導の実態把握を求めた。
重複指導の実態
指導員は、顧問の代わりに単独で練習を指導するほか、大会や練習試合の引率をすることができる。市区町村の教育委員会が地域クラブのコーチや大学生らを選任し、スポーツ庁と文化庁が配置費用を補助している。
検査院は、23~24年度に東京や奈良、沖縄など14都県の50市区町村を対象に、公立中の部活動の状況を調査。指導員474人が2年間に稼働した時間は計8万7276時間で、このうち、教員もいた重複指導の時間は33.7%の計2万9433時間だった。
曜日別の傾向と理由
曜日別の重複時間は、平日は15.7%だったが、週末の休日は45.3%に上った。重複指導をした理由は、「指導員からの要望で教員も参加」「部活動の内容を充実させるため」などだった。
国の制度要項では、やむを得ない場合は重複指導も認めるとしているが、検査院は、国が具体的な事例を示していないと指摘。「教員の責任感に基づく自発的な指導」や「保護者からの要望」などは、「やむを得ない理由」として認める自治体もあれば、認めない自治体もあるとした。
今後の対応
スポーツ庁地域スポーツ課は「学校によって状況が様々で、『やむを得ない場合』の条件を一概に縛れない側面もある。今後は重複指導について実態把握を進めたい」としている。
部活動指導員は、顧問の教員の長時間勤務を解消するため、2017年度に文部科学省が設けた。18年度の2193人に対し、24年度には5.6倍の1万2436人に増え、配置のための国の補助金額も2億円から17億円に拡大した。