「ひろゆきみたいな子」と言われた神童、早稲田卒も適応障害に…学オタクの転換
「ひろゆきみたいな子」と言われた神童、早稲田卒も適応障害に

キャリア・教育の連載「神童だったあの子の今」より。今回は「ひろゆきみたいな子」と言われた中学生が、早稲田大学を卒業しメガバンクに就職するも適応障害を発症。その後、学オタクとしての特性を活かした転換を遂げた伊藤さんの物語です。

中学時代は「面倒くさい子」

帰国子女の伊藤さん。中学のときは「先生から面倒くさがられていた」といいます。知識欲が旺盛で、授業中に先生の間違いを指摘するなど、いわゆる「ひろゆきみたいな子」として知られていました。

早稲田入学後、人生最悪の鬱屈

念願の東京、念願の早稲田。しかし入学直後、伊藤さんを襲ったのは人生で最も鬱屈とした時間でした。7月まではサークルや大学に通えたものの、夏前にぷつりと切れ、学校に行けなくなります。周囲は内部進学生や推薦組が楽しげに過ごしていました。

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「浪人までしてガリ勉をして、彼らと同じ大学に入ったのに、友達がいなくて、学校でもなじめない。当時の自分にとっては、人生で1、2を争うつらい時期でした」

夏休み、2ちゃんねるの受験サロン板を眺めながら、「もっと自分はやれたんじゃないか」という思いに駆られます。塾講師のバイトをしながら、ひそかに仮面浪人を始めました。狙いは一橋大学。しかし孤独な戦いに耐えきれず、12月にはうつ気味になり、センター試験は崩れました。一橋の2次試験には出願すらできませんでした。

「半年間、人と会話ゼロ」だったそうです。

救いとなった旅行サークル

転機は2年生で入った旅行サークルでした。新歓の串カツ屋で自己紹介をした瞬間、ある男が伊藤さんの出身高校の偏差値をぴたりと言い当てたのです。香川の田舎から宅浪で早稲田に来た男で、これまた受験オタクでした。その後、二人は毎日、高校談議と学歴談議に明け暮れるようになります。

伊藤さんはその親友を「僕の運命を変えてくれた同志」と呼んでいます。

メガバンク就職も適応障害に

大学生活を立て直した伊藤さんは、就活でも自分の特性を見据えていました。「データ分析が好きだったので、金融系のリサーチ業務ができそうな企業に絞った」といいます。TOEICと簿記1級を武器に、「全力で好青年を演じた」末、メガバンクから内定を得ました。

しかし蓋を開けてみると、リサーチは本部のベテランの仕事で、新人の彼は支店の法人営業に配属されました。

「法人営業部にいる人たちはみんなゴリゴリの体育会系で、その雰囲気が肌に合いませんでした。本ばかり読んでいる内向的なタイプだった僕には、無理だったんです」

こうして伊藤さんは適応障害を発症。自分がいる場所はここではないと痛感します。

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