富裕層があえて現金を持ち歩く3つの理由とは?
富裕層があえて現金を持ち歩く3つの理由とは?

キャッシュレス決済が普及する中、富裕層の中にはあえて現金を持ち歩く人々がいます。その理由を、実際の富裕層へのインタビューをもとに解説します。

理由1:スムーズな気配りとマナー

富裕層の男性は、ホテルや飲食店を利用する際に「優れたサービスに対し、その場で感謝の意をダイレクトに伝えるために現金を持ち歩いている」と語ります。ホテルや飲食店の他、ゴルフ場でも現金は活躍し、キャディーさんへのチップをスマートに渡すことができます。チップ文化のある地域では、謝礼として小口の現金を持参するのが通常です。

また、格式の高い料亭や地方の隠れた名店では、伝統的に現金決済のみの場所が存在します。良質な食材を扱う個人経営の老舗や職人気質な店主が営む名店は、仕入れを現金で行うことも多く、店舗での決済も現金主義になりがちです。さらに、クレジットカード等の決済手数料を店側に負担させたくないという、ファンとしての応援の気持ちもあるのかもしれません。きりの良い金額を支払い、端数のお釣りを「取っておいてください」とスタッフに渡す富裕層もいます。

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理由2:トラブルや緊急時への備え

都市部ではカード決済やアプリでの支払いが主流ですが、地方では依然として現金が必要になることも少なくありません。出張で全国を飛び回る富裕層の男性は「地方にはいまだに現金主義のタクシーが健在なので現金を持ち歩かざるを得ない」と話します。都市部でも、個人タクシーで高齢の運転手がキャッシュレス機器を導入していないケースがまれにあります。

また、通信障害や停電、カード会社のシステムダウン時でも、現金を持ち歩いていれば支払いに困ることはありません。このように、トラブルや緊急時の備えとして現金を持つ富裕層もいます。

理由3:支出の管理・マネーリテラシー教育

現金を使うことで無駄遣いを防ぐこともできます。常に100万円分のピン札を財布に入れている富裕層の男性は「使う分だけを財布に入れて出かけるようにしている」と話します。また、マネーリテラシー教育の観点から、子どもにあえて現金でお小遣いやお年玉を渡す富裕層も珍しくありません。

子どもたちは、財布からお札や硬貨が減っていく様子を目で見ることで、お金は「有限である」という感覚を身につけます。デジタル決済は支払いのハードルが下がりやすいため、幼少期から現金に触れさせ、「現金が手元から消える痛み」を経験させることが大切です。加えて、現金には社会の仕組みと労働価値を結びつける役割もあります。お手伝いの報酬として「重みのある現金」を直接手渡されることで、お金が「誰かの労働や感謝の対価」であることを理解します。

銀座のクラブでは「請求書払い」が伝統

銀座のクラブなどでは、伝統的に「請求書払い(通称:つけ払い・売掛)」という決済方法が広く採用されています。この場合、現金はもちろん、カードやアプリも必要ありません。顧客は伝票にサインをし、そのまま退店します。1カ月分の利用料金がまとめられ、主に翌月に顧客が指定した場所に請求書が送付され、指定期日までに銀行振込などで支払います。

請求書払いが使われる理由は、経理処理上の利便性と夜の街特有の美学です。客層の多くは企業経営者や役員、政治家で、会社の「接待交際費」として落とす際、法人名義宛ての請求書があると社内の経費精算がスムーズになります。また、ゲストの前で財布を出したり金額を確認したりする行為は野暮とされ、ツケで飲めることはお店から社会的信用を認められた証拠であり、ステータスの一種でもあります。

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今回は「富裕層があえて現金を持ち歩く理由」について解説しました。キャッシュレス決済が主流でも、現金、特に「ピン札」には特別感があります。お金を丁寧に大切に扱える富裕層は、お金の管理に失敗することがないのでしょう。