愛知県警、生活道路30キロ制限を周知 街頭やSNSで啓発強化
愛知県警、生活道路30キロ制限を周知 街頭やSNSで

住宅街などにある幅が狭い「生活道路」の自動車の法定速度を時速60キロから30キロに引き下げる改正道路交通法施行令が1日、施行された。愛知県内の一般道の約7割が幅員5・5メートル未満で、多くが生活道路として使われており、死亡事故も起きている。同県警は新たなルールを周知し、ドライバーに安全運転を呼びかけている。

県内の狭い道で死亡事故も

新ルールが施行された1日朝、同県西尾市行用町の狭い道では、車が頻繁に行き交い、中にはかなりの速度で走る車も見られた。信号や中央線がないこの生活道路では、昨年11月に死亡事故が発生している。対向車をよけようと左に寄った乗用車に、道路脇を歩いていた70歳代女性がはねられ、亡くなった。

近くの農業男性(78)は「車幅が大きい車が走ると、ぎりぎり人が通れるくらいの道だが、スピードを出す車も多い。新ルールでドライバーの意識が変わってくれれば」と話した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

対象は幅員5・5メートル未満の道路

新たな速度規制は、住民が日常生活に利用し、中央線や中央分離帯がない幅員5・5メートル未満の道路などが対象となる。道路標識などで最高速度が指定されている場合は、その速度規制が優先される。

国土交通省の資料によると、2024年3月末時点で、県内の幅員5・5メートル未満の道路は約3万2000キロ・メートルで、一般道全体の約7割を占めている。こうした狭い道は地域住民が徒歩や自転車で利用する機会が多く、事故の危険性が高い。

愛知県警によると、県内で昨年1年間に起きた人身事故2万4793件のうち、幅員5・5メートル未満の道路で起きた事故は約2割にあたる4442件に上った。昨年は西尾市だけでなく、愛西市でも80歳代女性が後ろから軽乗用車にはねられて死亡している。

人身事故の際、衝突時の車の時速が30キロを超えると歩行者らが致命傷を負う確率が急激に高まるとのデータもあり、県警幹部は「生活道路の法定速度引き下げによる事故抑止効果は高い」と強調する。

取り締まりや街頭活動で周知

新ルールはドライバーへの影響が大きく、愛知県警は周知に力を入れる。1日午後には同県江南市の生活道路で、法定速度の引き下げを説明するパンフレットをドライバーらに配布したほか、持ち運びが容易な速度違反取り締まり装置「可搬式オービス」を使った取り締まりを実施した。

先月には住民からの要望を受け、複数の生活道路に法定速度の引き下げを知らせる看板を設置したほか、街頭活動やSNSでも周知を図っている。

同県豊橋市内でも、市と豊橋署が通勤・通学時間帯に街頭啓発を実施。長坂尚登市長、柳谷謙一署長ら約40人が、抜け道にもなっている幅4・25メートルの一方通行道路沿いでのぼり旗などを持ってドライバーに「時速30キロ」を訴えた。

県警交通規制課の野々川裕和次長は「新たなルールを順守し、周囲の状況に応じた安全運転を心がけてほしい」と呼びかけている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ