70過ぎのリタイアはちょっと早すぎるかも…会社員のための引退戦略書をフリーランス書評家はどう読んだ?
70過ぎのリタイアは早すぎる? 引退戦略書を書評家が読む

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏が著した『RETIRE SHIFT(リタイア・シフト): 人生100年時代の引退戦略』(東洋経済新報社)は、リタイアメントプランと老後資金形成に長年携わってきた専門家による一冊だ。独立前は公的年金制度の啓発や企業内での退職金・企業年金制度の理解度向上、老後のマネープランニング等を検討するセミナーの企画に取り組み、独立後はNISAやiDeCo、企業型確定拠出年金に関連した活動を行っているという。

リタイアのタイミングが変わる

著者は「リタイア・シフト」という言葉で、世間に常識として存在しているリタイアのタイミングや環境自体が大きく変わる社会の一大変革を指す。従来、リタイアの時期は国や企業が強制的に決めるものであり、会社員はそれに従うしかなかった。しかし、これからの時代は「リタイアのタイミングを決める主導権は、会社から会社員の側に移る」と著者は指摘する。

その背景には慢性的な人材不足がある。企業は高齢者雇用をますます積極化し、60歳代後半や70歳代でも「働いてほしい」と期待する。一方で、国の年金は65歳から支給されるため、「年金がもらえるまで働く」というニーズは先に充足される。結果として、企業が「60歳代後半も働いてほしい」と願っても、会社員は「条件次第で決めよう」と強気に出られるようになるという。

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加速する「リタイア・シフト」の波

さらに、「リタイア・シフト」の波はこの数年で一気に加速し始めている。書評家である筆者は、数十年前に会社を辞めてフリーランスとして生きてきた立場だが、もし自分がいまも会社員だったら、本書の内容に希望を感じただろうと述べる。

本書では、長い老後に備えるための具体的な資金計画や、寿命の延びに応じた勤続期間の変化、高齢者の賃金に関する従来のイメージが変わりつつあることなども解説されている。自分にとって最良の引退戦略を描くために、必要な情報を吸収しておくことが重要だと感じさせる内容だ。

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