内科医の谷本哲也氏は、昼寝の効果について「何分寝たかよりも、いつ寝たか、何回寝たか、以前より増えていないかが重要」と指摘する。最新の研究では、午前中の昼寝が死亡リスクを30%高める可能性が示された。
研究が示す午前中の昼寝の危険性
2026年4月に米国医師会の系列誌に掲載された研究では、平均年齢約80歳の高齢者1338人を対象に活動量計で昼寝のパターンを測定し、最大19年間追跡した。その結果、1日の昼寝時間が1時間長くなるごとに総死亡リスクが13%高く、昼寝の回数が1回増えるごとに7%高いという関連が観察された。さらに、午前9時から午後1時ごろに昼寝をする人は、午後早めに昼寝をする人と比べ、総死亡リスクが30%高いことがわかった。
昼寝の時間帯が重要な理由
谷本氏は「午前中に昼寝をすると寿命が縮むという単純な話ではない」と強調する。研究が示すのは、午前中から眠くなる人では、すでに体の中に何らかの問題が隠れている可能性があるということだ。つまり、昼寝が病気をつくるのではなく、病気や老化の変化が午前中の昼寝として表れているのだ。
電車の居眠りは危険なサイン
谷本氏は、通勤電車での居眠りが「危険なサイン」である可能性を指摘する。朝起きて間もないのに眠い、午前中の電車や会議で寝落ちする、朝食後すぐ横になりたくなるといった症状は、単なる疲労ではなく、体の異変を知らせるサインかもしれない。特に、意図せずに昼寝をしてしまう場合は注意が必要だ。
正しい昼寝のしかた
短い昼寝は午後の仕事や家事の効率を上げる「脳の再起動」として有効だが、時間帯が重要だ。谷本氏は、昼食後に10〜20分ほど目を閉じることを推奨する。一方、午前中の昼寝は避けるべきで、もし午前中に強い眠気を感じる場合は、体の異常を疑うべきだと警告する。



