鳥取県民の82%が居住地の水道水をおいしいと感じており、その割合は山梨県と同率で全国1位となった。今年実施された民間調査で明らかになった。自然に恵まれ、水源の環境が良いことが要因とみられる。
調査結果の概要
調査は浄水器メーカーのBRITA Japan(東京)が実施。3月30日から4月17日にかけて、インターネットで各都道府県100人、計4700人を対象に行った。
「おいしいと感じる」と答えたのは鳥取と山梨が同率で1位。3位が富山(80%)、4位が長野(79%)、5位が熊本(76%)と続いた。
一方、「おいしくないと感じる」と回答したのは沖縄が最多の32%。次いで茨城(27%)、大阪(25%)となり、鳥取は6%で富山と並び45位だった。
東西で異なる水源とおいしさの理由
鳥取が1位となった背景には、県東部と西部で異なる水源がある。県東部の水源は主に千代川で、智頭町の沖ノ山に源流がある。鳥取市水道局によると、千代川の川底から約3メートル下にある伏流水から主に取水。大雨で土砂が混じって濁るなどの影響を比較的受けにくく、水質が安定しているという。
同局の担当者は「おいしい水道水として評価され、うれしく思う。最も大切な安全性と共に、おいしさを後世に引き継いでいきたい」と話す。
県西部の水源は米子市内の地下水などで、元は大山の雪解け水や雨水だ。大山に降り注いだ雨水が地下に浸透する過程で不純物が取り除かれ、カルシウムやマグネシウムといった花こう岩の成分が溶け込む。大山が天然の濾過装置の役割を果たしている。
おいしさをPRする取り組み
米子市上下水道局は水道水のおいしさをPRするため、2005年からペットボトル詰めの「よなごの水」(500ミリ・リットル)を製造。これまでに32万本を販売した。
大山山麓では「コカ・コーラボトラーズジャパン大山工場」(伯耆町)と「サントリー天然水 奥大山ブナの森工場」(江府町)が天然水を製造している。
鳥取市内で飲食店「山猫軒」を営む飯塚玉緒さん(49)は長女の出産を機に、約15年前に大阪市から移住してきた。「水出しした茶やコーヒーを飲む際、味や臭いが気にならず、そのままでも十分おいしい。お客さんに、お冷やとして安心して提供できる。1位なのも納得」と話す。
水の問題に詳しい武蔵野大工学部の橋本淳司・客員教授(59)は「伏流水が豊富で、山や森林が多い自然環境と多様な水源がもたらす水に対し、住民が肯定的に評価している」と分析する。その上で「おいしい水道水を維持するために、自分たちが使う水がどこから来ているのかを知ってほしい。自治体や企業、住民が連携して森林の保全活動などに取り組むことが大切になってくる」と話す。



