北米原産のキク科の多年草「オオハンゴンソウ」が、くじゅう連山の北麓に広がるタデ原湿原(九重町、38ヘクタール)の上流域で目立ち始めたのは2007年頃。繁殖力が強く、外来生物法で輸入はもちろん、栽培や運搬も禁止された「特定外来生物」に指定されている。地元の民間団体が、時間をかけた駆除活動に取り組んでいる。
正体知らず持ち帰る人も
オオハンゴンソウは夏場に黄色の美しい花を咲かせる。「目立ち始めた頃は正体がよく分からなかったものだから……。お盆のお供え用に持ち帰る人もいた」。ボランティアで駆除を続ける「九重の自然を守る会」の事務局長、小山正記さん(70)が苦笑する。
タデ原湿原は05年、坊ガツル湿原(竹田市、53ヘクタール)とともに、ラムサール条約に登録された。登山客のほか、「やまなみハイウェイ」(県道11号)沿いにあるため散策に訪れる観光客も多い。「タデ原はくじゅうのシンボル。時間はかかっても、根絶するまでやりきるしかない」。小山さんら関係者に共通する思いだ。
年間十数日の地道な作業
守る会による今年初めての駆除活動が8月23日、湿原の下流約2・5キロ地点にある牧場跡で行われた。やまなみハイウェイがすぐ上を走る現場で、県内外から駆けつけた会員17人が群落に分け入り、花芽を1本ずつ丁寧に摘み取った。午前中の作業で集めた花芽は約80キロ。種が飛び散らないように、可燃物のごみ袋に密封して焼却処分する。
花芽の後は茎を地上から30センチほど残して切り取っていく。残した茎は、秋から冬にかけてスコップで地下茎を掘り起こす「抜根」の際の目印になる。「花芽を摘むのは生息域をこれ以上広げないため。抜根までやるのは根絶を目指すため」。小山さんが狙いを語る。
年間十数日に及ぶ地道な活動が功を奏し、上流域で確認された16か所の群落は「ほぼ10年がかり」(小山さん)で根絶にこぎ着けた。今後は23年に下流域で見つかった、25か所もの群落が駆除のターゲットになる。
長期戦も辞さず
守る会の会員で、駆除活動に毎回参加している赤峰佐代子さん(83)(九重町湯坪)は、昨年抜根したはずの牧場跡に今年も現れた群落を見て驚いた。「あんだけ取ったのに、なしね(なぜ)、というのが実感。長い目でこつこつやっていくしかない」と長期戦も辞さない構えだ。「高齢化した会員にとって、作業はなかなかの重労働。みんなでワイワイ言いながら、楽しくやりますよ」。穏やかな口調に決意をにじませた。



