環境省、太陽光パネル廃棄物の急増見据え指針改定へ
環境省は、2030年代に年間最大80万トンに上ると予測される太陽光パネルの廃棄物問題に対応するため、廃棄物処理指針を改定する方針を固めた。現在の指針は2016年に策定されたもので、パネルのリサイクルや適正処理の促進が不十分とされていた。
廃棄物量の試算と現状
環境省の試算によると、2020年度の太陽光パネル廃棄物量は約1万トンだったが、2030年代には年間50万~80万トンに急増する見通し。これは、2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)で導入されたパネルが寿命を迎えるためだ。現在、廃パネルのリサイクル率は約70%だが、残りは埋め立て処分されている。
指針改定の主な内容
改定指針では、廃棄物の発生抑制とリサイクル促進を重点項目に掲げる。具体的には、パネルメーカーに対するリサイクル設計の要請や、廃棄時の分別・運搬ルールの明確化、リサイクル施設の整備支援などが含まれる。また、不法投棄を防ぐため、廃棄物の追跡システム導入も検討する。
業界と自治体の反応
太陽光発電協会は「指針改定を歓迎する。業界としてもリサイクル技術の向上に努める」とコメント。一方、全国市長会は「自治体の負担軽減が不可欠。国による財政支援を求める」としている。環境省は年内に改定指針の素案を示し、2024年度中の施行を目指す。
今後の課題と展望
専門家は「リサイクル技術のコスト低減が鍵。また、廃棄物の発生を前提としない、長寿命パネルの開発も重要だ」と指摘する。環境省は指針改定と並行して、関連法制度の見直しも検討するとしている。



