エルニーニョ現象が発生すると、日本に上陸・接近する台風がより強く発達することが、読売新聞のデータ分析で明らかになった。最強クラスの台風の割合は、エルニーニョ時に発生数の19%を占め、平時から倍増した。
発生地点が南東にずれ、移動距離が長く
エルニーニョ現象は、南米ペルー沖の海面水温が高い状態が続く現象で、今年も発生しており、世界各地で豪雨や干ばつなどが起きやすくなると懸念されている。逆に同沖の海面水温が低い状態はラニーニャ現象と呼ばれる。
気象庁などが公開する過去の台風の勢力や経路、被害などのデータから、1977~2025年の記録を抽出し、各年7~10月に観測が開始され、日本に上陸・接近した計451個の台風について分析した。
「猛烈な」台風は平時の1.9倍
気象庁は台風の強さを「猛烈な」(最大風速54メートル以上)、「非常に強い」(同44メートル以上54メートル未満)、「強い」(同33メートル以上44メートル未満)と分類している。分析の結果、エルニーニョ時は計105個のうち19%が「猛烈な」台風となり、平時の1.9倍となった。
エルニーニョ時の台風は、被害を拡大させる傾向もあった。台風1個あたりの死者・行方不明者数は6人で、平時の1.7倍。同様に床上浸水の被害棟数は1260棟で、平時の1.8倍に達した。
発生地点の平均を比較
発生地点の平均を調べると、エルニーニョ時は平時より南東に650キロ・メートル、ラニーニャ時より1100キロ・メートルずれていた。横浜国立大学の筆保弘徳教授(気象学)は、「台風が海面水温の高い海域を移動する距離や時間が長くなることで、水蒸気がより多く供給されて成長する」と話している。



