欧州を襲っている記録的な熱波が、これまで被害を免れていたポルトガルにも到達した。ポルトガル気象当局(海洋大気研究所、IPMA)は2日、首都リスボンがあるリスボン県とセトゥバル県に対し、最高位の高温警報「レッドアラート」を発令した。内陸部では最高気温が41度に達する見通しで、全国的に厳重な警戒が必要とされている。
内陸部で41度、異例の早期の猛暑
IPMAによると、1日にオレンジアラート(上から2番目の警報)が発令されたエボラ県を含む内陸4県では、最高気温が41度に達する見込み。県都エボラでは、ストリートミュージシャンのジョゼ・ボニファチオさん(31)が「例年ならこのような気温になるのは8月だが、今年は暑くなるのが早すぎる」と語った。同市では午後になると人通りが途絶え、観光客はカフェの店内や扇風機が設置された日陰のテラス席に避難していた。
建設作業員「慣れていない」、熱波の長期化が特徴
北部出身の建設作業員カルロス・ゲデスさん(53)は「このような強烈な暑さには慣れていない。午後は非常に厳しい暑さだが、仕事がある以上は耐え抜くしかない」と述べた。IPMAは、レッドアラート未発令の全県にもオレンジアラートを発令する方針。同研究所は「今回の猛暑の最も顕著な特徴は『期間の長さ』で、少なくとも1週間は続く見込みだ」と説明。さらに、臨海部は海風が吹かないため暑さが増し、夜間の気温が数日間にわたり24~28度を下回らない可能性があると付け加えた。
欧州全体で記録更新、気候変動の影響を専門家指摘
気候科学者団体「ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)」は、今回の熱波を欧州で記録された中で最も深刻なものと評価。気候変動がなければ、6月にこのような事態が起きることは「まずあり得なかった」と指摘している。この熱波では、ドイツ、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーで観測史上最高気温を更新。英国とスイスでも6月としての最高気温が更新され、フランスでも夜間の全国平均気温が観測史上最高を記録している。



