大阪・関西万博の会場工事で、工事費を水増し請求し、自宅のリフォームなどに充てていた疑いがあるとして、竹中工務店の元総括作業所長が大阪府警に逮捕された事件。多額の公金が投じられた国家プロジェクトの裏側で、どのような不正が疑われているのか、ポイントを整理する。
どんな事件か
大阪府警捜査2課によると、背任の疑いで逮捕されたのは、竹中工務店社員の河井辰巳容疑者(61)。2025年、万博会場内にあった工事関係者用の事務所の内装工事を請け負っていた奈良県内の土木建築会社(A社)の代表と共謀し、工事費を実際の金額より計約1369万円多く、竹中側に請求したとされる。
その結果、水増しされた金額を竹中側からA社に支払わせ、竹中側に損害を与えた疑い。水増し分は、河井容疑者の自宅や所有マンション、親族が経営する飲食店のリフォーム工事費の一部に充てていたとみられる。
容疑者の万博工事での役割
万博会場の施設整備工事は、大きく四つの工区に分けられ、日本国際博覧会協会(万博協会)からそれぞれの企業共同体(JV)に発注された。竹中工務店はPW(パビリオンワールド)西工区のJVの代表者となった。工事には、パビリオンや大屋根リングの一部の建設も含まれていた。
河井容疑者は2023年1月から総括作業所長を務め、工区全体の現場責任者だった。見積もりの査定、精算、支払いを決める権限を持ち、下請け業者を選定する立場にもあった。その下請け業者の一つがA社で、A社は大屋根リング内のトイレなど複数の万博関連工事を受注していた。
不正の疑いと捜査の状況
工事代金は、A社をはじめとする下請け業者から元請けの竹中工務店側へ、そして万博協会へと請求され、最終的に協会が負担する仕組みとなっていた。河井容疑者を逮捕した後、府警は竹中工務店本社を家宅捜索し、A社代表からも任意で事情を聴いている。



