米軍岩国基地の50代男性、パワハラで労災認定 人格否定する発言
米軍岩国基地のパワハラ労災認定 人格否定する発言

米軍岩国基地(山口県岩国市)で設備のメンテナンスをしていた50代の男性が精神疾患を発症したのは、米国系企業の上司からのパワハラなどが原因だったとして、岩国労働基準監督署が今年3月に労災と認定していたことがわかった。

日米地位協定の壁を越えた認定

米軍基地は、日米地位協定に基づき米側に「管理権」があり、許可なく出入りできない。労働トラブルを裏付ける記録の提出を求めるのも難しいが、このケースは男性が上司との会話を録音したり、メッセージを保存したりしていた。専門家は「実態把握が難しい米軍基地内のパワハラが労災認定された珍しいケースではないか」としている。

退職迫られ適応障害で休職

男性や代理人弁護士によると、男性は2021年8月、基地内の設備の維持管理業務を担う米国系企業「PAE Design & Facility Management(現Amentum Design & Facility Management)」に雇用された。22年2月に基地内のクレーン設備のメンテナンスなどの担当になったが、高所作業を監督する際に米軍の規定で必要とされる安全関係の資格がないまま業務を強いられたという。

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また、23年1月には、男性によって新型コロナウイルスに感染させられたと考えた上司から「お前のことを一生恨む 絶対に許さん」とメッセージが送られてきた。

約1週間後には男性の勤務態度や言動についてPAE社の幹部ら5人との面談があり、「君を配置する場所がない」などと退職を迫られたという。

男性は不安感や動悸(どうき)が止まらなくなり、適応障害と診断され休職した。

「人格や人間性を否定する発言」労基署が認定

労災申請を受けた岩国労基署は、男性が無資格で業務をするという不適切な行為を強いられたと指摘。上司からのメールも「人格や人間性を否定する、業務上不必要な発言だった」と判断し、適応障害の発症は業務に起因すると結論づけ、労災認定した。

米軍基地の労働問題に詳しい熊本学園大学の春田吉備彦教授(労働法)は「今回は民間企業が相手の出来事だが、基地内で起きたことを日本の労基署が把握するハードルは高い。泣き寝入りする例もあるとみられるが、労災が認められたことに大きな意義がある」と話している。

Amentum社は「コメントできない」とした。

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