8月末に福井県北部を襲った大雨による被害から、30日で1か月が経過した。住宅や農業、交通にわたる広範な影響が確認され、被害が判明した住宅数は今も増加傾向にある。各地では復旧作業が続いている。
人的被害は軽傷3人、住宅被害は1575棟
県のまとめ(9月29日現在)によると、人的被害は軽傷3人にとどまる。県災害対策連絡室の担当者は「県民が早めに情報を入手し、適切に対応したことや、住家への土砂崩れがなかったことなどから、人的被害は抑えられた」とみている。
一方、広域の冠水や土砂流入による被害は甚大で、住宅の床上・床下浸水と一部損壊を合わせた住宅被害は1575棟。住宅以外の建物も1030棟が被害を受けた。
企業被害は301社、農地の8割以上がソバで枯死
企業は301社が被災し、浸水による床の損傷や設備故障が発生。被害額は計7億3000万円に上る。
農地の被害面積は1816ヘクタールに達し、このうち8割以上がソバ。作付面積の半分にあたる1476ヘクタールで枯死が確認されるなど、壊滅的な状況となっている。
ボランティア943人が活動、国道は片側交互通行で応急復旧
福井、坂井、勝山の3市では災害ボランティアセンターが開設され、県は8月31日にセンター本部を設置して全体調整を担った。各市のセンターが13日に閉所されるまで、計943人のボランティアが被災住宅の片付けなどを支援した。
福井市と大野市を結ぶ国道158号の新丁トンネル付近では、道路脇の擁壁が崩落し一時通行止めに。応急対策工事が行われ、3日から片側交互通行が始まった。県奥越土木事務所によると、本格的な復旧工事は設計段階で、完了後ただちに着手する。
JR越美北線は10月5日に全線再開予定
公共交通機関では、JR越美北線で土砂流入や倒木が発生し、災害直後から全線運休。福井―美山駅間は7日から本数を減らして運転を再開し、美山―越前大野駅間は代行バスで輸送している。全線運転再開は10月5日に予定されている。
県災害対策連絡室の担当者は「被害の全容がなかなか把握できず、次の対策を打ち出すのが難しかった」と振り返り、「検証を行い、できる対策から着実に、速やかに実施していきたい」と話している。