熊本地震、静岡県内にも影響 飲食店や工場に打撃
熊本地震、静岡県内にも影響 飲食店や工場に打撃

熊本県で28日夕方に最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」の影響は、静岡県内にも及んでいる。熊本産食材を扱う飲食店からは不安の声が上がり、県内企業関係の現地工場は液状化現象で操業停止に追い込まれた。県は南海トラフ地震などを念頭に「平時の備え」を呼びかけている。

飲食店、仕入れ先への不安

熊本県産の馬刺しが名物の料理店「味処 奥むら」(静岡市駿河区)店長の田中正一さん(53)は、熊本の仕入れ先への電話がつながらず、「被害がないといいが…」と不安げに話した。同店は約30年前から、熊本の牧場から鮮度の良い馬肉を仕入れている。

田中さんが思い出すのは10年前、最大震度7を2度観測した2016年の熊本地震だ。仕入れ先業者の加工工場が被災し、数か月間、馬肉を出荷できなくなった。田中さんは「上質な熊本の肉は欠かせないが、今は現地の状況が分かるのを待つしかない」と話す。

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県内企業の工場が操業停止

現地に関係する工場がある静岡県の企業も対応に追われた。ヤマハ発動機(磐田市)の子会社で、船外機などを製造する「ヤマハマリン」本社工場(熊本県八代市)では、従業員1人が軽傷を負ったほか、敷地内で液状化現象が起きた。八代市では震度6強を観測。同工場と、同県上天草市にある事業所の2拠点は、29日の操業を停止した。

船外機部品などを製造する明和工業(浜松市中央区)でも、八代工場(八代市)の敷地内で液状化が確認され、操業を停止した。担当者は「建物の状況が確認できておらず、操業は当面難しいのではないか」と打ち明ける。

県の支援態勢と備蓄呼びかけ

静岡県は、職員の派遣に備え「支援準備体制」を取っており、県警広域緊急援助隊の約80人も出動待機に入った。同隊は16年の熊本地震で、現地で行方不明者の捜索活動などにあたった。

県の担当者は、南海トラフ地震などを念頭に、食料や飲料水、携帯トイレの「1週間分」の備蓄を呼びかける。県によると、食料は「ローリングストック」(回転備蓄)を実践し、普段から食べ慣れた食品を活用することが有効だ。飲料水は「1人1日3リットルを家族分」が目安になる。水道が止まればトイレが使えなくなるため、携帯トイレも重要で、「1人1日5回を家族分」が備蓄の目安だ。

県危機情報課の杉山徹参事は「熊本地震は人ごとと思わず、今のうちにできる備えを改めて確認してほしい」と訴えている。

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