高松琴平電気鉄道は、志度線・琴電屋島駅(高松市屋島中町)の駅舎を解体することを決めた。1929年に完成し、近代化産業遺産に認定されていたが、老朽化に加え、今年6月の台風接近で屋根の部材が壊れ、危険だと判断したという。新たに駅舎は建設しない方針としている。
約100年の歴史とモダンデザイン
ことでんによると、駅舎は屋島の麓と山上を結んだ屋島登山鉄道の開業に合わせて完成。参拝・観光路線としての歩みを物語るとして、2008年度には近代化産業遺産に認定された。緩やかな勾配の屋根と、凹凸が少ないすっきりとした外壁のモダンデザインが特徴という。
解体工事のスケジュールと利用者の声
6月の台風接近でスレート屋根を固定する部材が垂れ下がり、雨が浸透しやすくなっていた。ほかにも老朽化が激しく、解体を決めた。今月中旬にも本格的な解体工事に着手し、10月末までには完了する見通し。同駅の利用者は1日約760人にとどまっていることから、ことでんは待合スペースの必要性は低く、新駅舎は整備しないとしている。
8月31日には解体方針を知った住民らが訪れ、駅舎にスマートフォンを向け、写真に収めていた。幼い頃から高松市中心部に出かける際に同駅を利用してきたという男性(54)は「慣れ親しんできた駅舎なので寂しい」と話した。ことでんは「残念だが、利用者の安全を最優先に考えた」としている。



