神戸市中央区の三宮中心部にある県道交差点で1日、横断歩道を渡っていた歩行者ら4人が乗用車にはねられた死傷事故は、8日で発生から1週間を迎えた。事故現場には花が手向けられ、通行人らが手を合わせるなどしている。運転手の男性の体調が急変したとの証言もあり、兵庫県警は事故原因を詳しく調べている。
事故発生から1週間、現場に献花
事故は1日午後3時半ごろ発生。交差点に乗用車が突っ込み、横断歩道を渡っていた神戸市東灘区本山南町の大学生、岸上優空(ゆら)さん(21)が死亡し、3人が重軽傷を負った。
県警によると、乗用車は交差点北側の横断歩道の手前で赤信号で止まっていたが、突然発進したとみられる。乗用車を運転していた徳島市の不動産関連業の男性会社役員(58)も重傷を負い治療中だ。
捜査関係者によると、同乗者は県警に「(男性の)体調が急変し、突然発進した」などと説明しているという。現場からはブレーキ痕は見つかっていない。
現場付近の中央分離帯には8日午後、多くの花束や飲料が供えられ、通行人らが手を合わせるなどしていた。花束を手に発生時刻に現場を訪れた、岸上さんと同じ大学で同級生の女性(22)は「ポジティブでいつも笑顔な子だった。事故以来、毎夜泣いてしまう。ゆっくり休んでほしい」と涙ながらに語った。
事故未然防止システム、普及は道半ば
歩行者が巻き込まれる交通事故が後を絶たない中、車両にセンサーや制御装置を搭載し、事故を防ごうという取り組みが自動車メーカーを中心に進んでいる。ただ、装置によっては普及率はまだ低く、一層の導入加速が望まれている。
国土交通省の統計によると、誤ってアクセルを強く踏み込んだ場合にエンジンの出力を絞って急加速を抑制する「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」は、令和6年に国内向けに生産された車両の9割以上に搭載されるなど一般への普及が進んでいる。
一方、運転手の体調急変時に異常を検知し車を停止させたりする「ドライバー異常時対応システム」の搭載率は令和4年生産の車両は1割未満で、5年以降2割台になったが普及は道半ばだ。
交通事故総合分析センター(東京)によると、令和6年に起きた突然の発作や急病などによる事故件数は260件(前年比10件増)。心臓まひやてんかんなどが主な要因という。装置の普及で防げる事故も多くあるとみられ、国交省も各装置を搭載した事業用車両の購入時に補助金を出すなどして普及を後押ししている。