川崎市のJFEスチール東日本製鉄所で大型クレーンの解体中に作業員4人が死亡した事故の数日前、落下した重りを支えていたアームの一部を削る作業が行われていたとみられることが、関係者への取材でわかった。業務上過失致死傷の疑いで調べている神奈川県警は、作業状況が落下の原因になった可能性があるとみて、事故との関連を慎重に調べている。
事故の概要と作業内容
事故は4月7日に発生。県警によると、解体作業が行われていたクレーンは船から鉄鉱石などの積み下ろしに使う「アンローダークレーン」で、作業を受注した中堅ゼネコン「東亜建設工業」の下請け会社の作業員5人が、アーム先端につく約500トンの円柱状の重り(長さ9メートル、直径6メートル)を取り外す作業をしていた。だが、重りが落下して5人は転落。4人が死亡、1人が重傷を負った。
アーム削られた可能性と支保工の崩落
関係者によると、重りには上下2本のアームの先端が内部まで突き刺さる形で埋め込まれていて、重りを支える構造だった。事故の数日前、重りの内部に詰まったコンクリートを上部から掘削していた際、埋まっていた上のアーム部分が露出。何らかの理由でその露出した部分が削られた可能性があるという。
東亜建設工業の事故当時の説明によると、重りの下にはクレーン全体のバランスを保つため、高さ約30メートルの「支保工」があったが、重りの落下で崩落。落下時点で重りは約400トンに減っていたという。
今後の調査
東亜建設工業は5月、外部有識者を交えた社内事故調査委員会を設置したと明らかにしている。東亜建設工業は朝日新聞の取材に対し、「関係機関の捜査中のため、何もお答えできない」としている。



