熊本地震の被災地で、損害保険大手が地震保険の契約者の住宅調査を進めている。熊本県は10年前に今回と同じ最大震度7の地震を経験していることから地震保険の契約率が全国でも高く、各社は早期の支払いに向けて数百人態勢で臨んだり、アプリやウェブの活用で効率化したりして対応を急いでいる。
東京海上日動は最大約660人態勢で対応
最大震度7を記録した熊本県氷川町の住宅で10日、東京海上日動火災保険の調査員が地震による家屋の損傷を入念に調べ、業界で共通化している査定用の専用アプリに被災状況を入力していた。調査を受けた稲生貞治さん(47)の自宅は2016年の熊本地震後に建てたが、今回の地震で建物の基礎部分にひびが入ったり、テレビなどの家電製品が壊れたりしたという。
東京海上日動は、稲生さんが地震直後に撮影していた自宅内の写真なども基に、1時間ほどで査定した。約1か月後には保険金が支払われるといい、稲生さんは「壊れた冷蔵庫などを買い直し、早く普段の生活を取り戻したい」と話す。
地震保険の査定と支払いの仕組み
地震保険では、「全損」や「大半損」などの被害状況に応じて補償が受けられる。支払いには保険会社の立ち会いによる査定が必要で、東京海上日動は今回の地震を受け、熊本県内への派遣を含め全国で最大約660人態勢で手続きに対応している。城田宏明社長は「一日でも早くお支払いすることが我々の役割だ」と強調する。
他の損保大手も被害の把握に努めており、損害保険ジャパンは、300人以上の調査員が現地の立ち会い調査を担っている。三井住友海上火災保険は、調査員のスケジュールを踏まえて保険契約者側がウェブ上で立ち会いを予約できるシステムなどを活用し、調査の効率化を進めている。
熊本県の地震保険付帯率は全国2位
地震保険は火災保険に付帯する保険で、加入者は増加傾向にある。損害保険料率算出機構(東京)によると、熊本県の地震保険の付帯率は最新の24年度で87.8%と、14年度と比べ25.8ポイント上昇した。全国(70.4%)を大きく上回り、都道府県別では東日本大震災の被災地となった宮城県(89.3%)に次ぐ2番目の高さだ。



