印旛沼堤防2か所決壊、成田市や栄町で大規模浸水 約5平方キロ
印旛沼堤防2か所決壊、成田市や栄町で大規模浸水

台風25号は大雨のピークを過ぎた後も影響を拡大させた。千葉県北西部の印旛沼の堤防が決壊し、成田市や栄町で約5平方キロ・メートル(推定)にわたって大規模な浸水が発生した。台風が関東の広範囲に大雨を降らせたのが要因とみられる。

自動車整備会社で20台以上が水につかる

印旛沼から東に約1キロの成田市大竹で、自動車整備会社を経営する男性(77)は、高台から水没した工場を見つめ、「水かさが上がり、気付いたら50センチ以上になっていた。約50年前に創業してから初めてのこと」と話した。

預かっていた車など20台以上が水につかり、事務所に入れない状態。21日夜に台風の大雨はピークを過ぎたが、翌日の22日午前7時頃から工場が浸水し始め、車を避難させる余裕もなかった。

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西印旛沼の水位が過去の豪雨時を上回る

印旛沼は干拓事業で北印旛沼と西印旛沼に分かれている。流域は成田市や栄町など13市町にわたり、流域面積は494平方キロ・メートルで千葉県の面積の約1割にあたる。今回の台風では、西印旛沼の水位が22日午前4時半時点で5.04メートルと、8月の千葉豪雨時の4.33メートルを上回った。

印旛沼の水位を管理する水資源機構や専門家によると、北印旛沼の水は通常、北側の利根川へと排出されるが、今回は利根川の水位も上昇したため、排水が進まず、22日朝に堤防2か所が決壊した。利根川に排出できない場合、西印旛沼を通じて東京湾側に排出することになっているが、流域から大量の水が流れ込んだため、排水が追いつかなかったとみられる。西印旛沼方面に流れ込む高崎川でも氾濫が起き、佐倉市のJR佐倉駅北側が広範囲に水につかった。

専門家が防災意識の重要性を指摘

中央大研究開発機構の古米弘明教授(都市雨水管理)は、先月の線状降水帯による千葉豪雨と異なり、台風に伴う広範囲の大雨が要因と指摘する。20日からの雨で印旛沼と利根川の水位が上がっていたところに、北関東など川の上流で降った雨が継続的に利根川に流れ込んだという。

対策として、貯水池やポンプの増設など排水能力を高めることに加え、「このレベルの大雨が降ると災害は必ず起きる。命を守る行動をいかに早くとるか、市民の防災意識をさらに高めることが重要だ」と話した。

県は、国土交通省の緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE(テックフォース)」の派遣を受け、堤防の復旧を進めているが、復旧時期は見通せていない。

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