広島県廿日市市の峠道・国道186号で、改造車両などによる暴走運転や騒音が問題となっている。事故が頻発し、地域住民からの苦情も多いことから、県警などが対策に乗り出した。目を付けたのが「たまり場」となっている道の駅「スパ羅漢」での取り締まりだ。
道の駅に改造車両が集結
スパ羅漢は国道186号沿いにあり、1996年に開業。温泉やサウナを備え、日中は家族連れなどでにぎわう。施設は午後7時に閉館するが、駐車場とトイレは24時間利用することができるため、廿日市署によると、夜間や週末に改造車両などが多数集まり、峠道で暴走行為を繰り返しているという。
スパ羅漢周辺では今年に入り、車やバイクによる交通事故が23件発生(7月末現在)。カーブでのり面に乗りあげたり、対向車と正面衝突してけが人が出たりするケースもあった。2024年の同時期は11件、25年が22件と年々、増加傾向にある。
住民の苦情と合同検問
同署には近隣住民らから、「夜間に車で走行するのが怖い」「あおり運転にあった」といった苦情が多数寄せられている。同署が住民らと管内の現状や課題について話し合う協議会でも「夜間にパトロールをするなどしてほしい」との要望が出た。
これらを受け、県警や国土交通省広島運輸支局などは8月、スパ羅漢周辺で不正改造車両などに対する合同検問を実施。車両4台に道路交通法違反(整備不良)で反則切符を切ったほか、排気音の基準値超過につながるマフラーの装着などで6台に整備命令書を交付した。
さらなる対策として、スパ羅漢の駐車場の外灯全6本が毎日午後10時頃に消灯するようになった。同署が、スパ羅漢の周辺道路や駐車場を管理する県に要請したという。
効果は? 参考にした事例
記者は初日の8月7日夜にスパ羅漢を訪れた。午後10時15分過ぎに外灯が消えると、目の前もほぼ見えないほど真っ暗になった。直後に2台の車が駐車場に入ってきたが、すぐに引き返していった。
午後11時頃にやってきた5人組の男性に話を聞いた。車両の改造などはしていないが、ドライブがてらによく訪れるといい、「電気が消えていて驚いた」と話した。峠道で事故を起こした車を見ることも時々あり、「僕らにとってここは憩いの場。それを守るためにも暴走行為はやめてほしい」と語った。
駐車場の外灯を消す取り組みは、東広島市西条町の道の駅「西条のん太の酒蔵」を参考にしたものだ。同施設も22年のオープン後、改造した車やバイクが多数集まり、騒音や危険走行が問題となった。25年1月から国交省広島国道事務所などが夜間に敷地内の照明を消し、入り口に減速帯などを設置した。
県警暴走・爆音走行対策室によると、24年7~12月には同施設に関する爆音走行などの通報は計15件あったが、対策後の25年は7件に減少。今年も8月末までで1件にとどまっているという。廿日市署はスパ羅漢でも同様の結果となることを目指しており「暴走運転がなくなるよう、今後も取り締まりや交通監視を続けていく」としている。



