「ゴミ屋敷」孤独な住人と16トンのゴミ…親のセルフネグレクトを子が片付けた真意
ゴミ屋敷16トンと猫の死骸…子が片付けた真意

「3日間で片付くのか?」――百戦錬磨のスタッフも焦るほどの巨大なゴミ屋敷。その中には16トンのゴミと猫の死骸が散乱していた。親がセルフネグレクト(自己放任)に陥った結果、実家はゴミの山と化し、子どもたちは長い年月を経てようやく片付けに着手した。彼らの真意とは何だったのか。

外からもわかるゴミ屋敷で育つ子どもへの影響

今回のような、外から見ても明らかなゴミ屋敷で育った子どもには、特有の影響が出ることがある。以前、京都で片付けたゴミ屋敷の現場には、小学校低学年の女の子が暮らしていた。学区内でもその家はゴミ屋敷として知られ、近所の人は距離を置く。それが親から子どもへと伝わっていく。

下校時、他の子どもたちがにぎやかに連れだって帰る中、その子だけが1人でまっすぐ家に帰っていた。

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「その女の子はお母さんが大好きで、お母さんも子どもに依存していました。外の世界から孤立し、母と子ども2人だけの世界に閉じこもっていました」と、片付け業者「イーブイ片付けチャンネル」のスタッフは語る。

ゴミ屋敷が子どもにもたらす2つのパターン

一方、外から見てわからないゴミ屋敷の場合、子どもが孤立するケースは少ない。ただ中高生になると、「誰も家に呼べない」という問題が出てくる。

ゴミ屋敷で育った子どもは、大きく2つの方向に分かれる。家が荒れた状態に慣れて自分も同じようになってしまうパターンと、逆に家が荒れた状態への嫌悪感が人より強くなるパターンだ。

かつて二見氏(イーブイ片付けチャンネル代表)が立ち会ったゴミ屋敷育ちの女性は極度の潔癖症になり、中学生になったあたりから家に帰らなくなったという。

「それでも、大人になると親の家のことを考えられるようになったと言っていました。心の余白ができてはじめて、向き合えるんだと思います」と二見氏は話す。

16トンのゴミと猫の死骸――3日間の作業

今回の子どもたちは、40代後半になってようやくその場所に立っていた。長い年月がかかったのは、それだけ複雑な感情が積み重なっていたからだろう。

3日間の作業を経て、16トンの物が運び出された。床と壁が見えるようになった一軒家を前に、子どもたちは変わらず無言のままだった。キッチンは人が通るのもやっとだったが、広々とした姿に戻り、2階の和室からもおびただしい量のゴミがすべて搬出された。

「親がセルフネグレクトした結果を、子どもが無言で片付ける。そこには、怒りや悲しみではなく、ただ淡々とした事実を受け入れる姿勢があった」とルポライターの國友公司氏はコメントしている。

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