改正道路交通法施行令が1日に施行され、福井県内でも住宅街などにある「生活道路」での自動車の法定速度が時速60キロから30キロに引き下げられた。生活道路は県内の一般道路の約6割を占めており、県警はこの日、福井市内で啓発活動を行うなど、周知に力を入れている。
福井市内で啓発活動
福井市城東の市道では、福井署員や同市成和中の教諭ら7人が、通行する車の運転手にチラシを配り、法定速度を守るよう呼びかけた。この市道は今回の引き下げの対象道路で、同中の通学路にも指定されている。通勤時間帯には国道8号からの抜け道として利用する車も多く、署員らは運転手に「今日から生活道路の法定速度が30キロに引き下げられました。この道路は対象なので、速度を落としてください」と呼びかけた。
同中の生徒指導主事の男性教諭(61)は「朝は車も生徒も急いでいて、危ない。30キロへの引き下げは、生徒の安全確保につながるのでありがたい」と話した。
引き下げの背景と対象道路
生活道路の安全対策のため、国はこれまで、指定区域の最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」や、物理的な速度抑制対策と組み合わせた「ゾーン30プラス」を導入。県内にも計36か所ある。一方、こうした個別の対策を進めるには限界があることから、今回の改正につながった。
引き下げの対象となるのは、地域住民が日常的に利用するような、中央線や中央分離帯などがない幅員5.5メートル未満の比較的狭い道路。道路標識で「40キロ」などと最高速度が指定されている場合には、標識の規制が優先される。
事故の現状と速度の危険性
国土交通省の道路統計年報では、県内の一般道路の実延長は約1万1000キロ。このうち幅員5.5メートル未満の道路は約6割の約6900キロ。県警によると、2021~25年の5年間に401件の人身事故が発生し、9人が死亡している。
速度を抑えるのは、車の速度と歩行者の致死率との間に相関関係があるからだ。国交省のまとめでは、17~21年に幅員5.5メートル未満の道路で発生した人身事故について、車の速度が30キロ未満の場合、歩行者の致死率は1%未満だが、30~40キロでは3%、40~50キロでは8.4%、50~60キロでは17%と、速度が上がるにつれ増加していた。
県警は今後も公式SNSなどを活用し、速度超過への注意を幅広く周知する。交通規制課の清水昌樹次席は「生活道路は子どもや高齢者も日常的に使う場所で、人が優先。いつもの道こそ『少しゆっくり、安全に』を意識して」と注意を呼びかけている。



