1923年の関東大震災を教訓に制定された「防災の日」の1日、徳島県内では南海トラフ地震を想定した災害警備訓練や、防災への意識を高めるダンスを披露するイベントなどが行われ、参加者らは災害への備えを新たにした。
美波町で園児らが津波避難訓練
美波町では学校や病院が参加する避難訓練が開かれ、同町奥河内の町立日和佐こども園では園児ら約100人が参加し、避難場所までの経路を確認した。
午前10時に町内放送で「強い地震がありました。津波の襲来が予想されます、付近の状況を見ながら避難してください」と流れると、園児らは低い体勢で周囲の危険を確かめる「カエルのポーズ」を取った。その後、職員が誘導する中で、避難先の県美波合同庁舎まで約100メートルを走り、海抜13・9メートルの屋上まで階段を駆けあがった。避難開始から4分30秒で全員がたどり着いた。
中野千図園長は「小さい子でも身を守る行動が習得できるよう、今後も訓練に取り組んでいきたい」と話した。
県庁で防災ダンスを披露
県は、地震が発生した際に取るべき行動をダンスで楽しく覚えてもらおうと、歌と音楽に合わせて踊る約1分20秒のダンス動画「逃げなきゃソンソン!防災ダンス(がたぐら地震編)」を公開した。
振り付けには地震発生時に、手足を地面にしっかりつけて低い体勢になったり、周囲のものにつかまったりするポーズを取り入れた。歌詞では身の回りの危険なものとして天井や棚、ガラスを挙げ、避難時の注意を促している。県民に親しんでもらうために阿波おどりの要素も盛り込み「にげる 阿呆(あほう) に にげぬ阿呆 同じ阿呆ならにげなきゃソンソン」と歌っている。
徳島市出身で親子向けのダンスイベントなどを企画する三原勇気さん(33)が振り付けや作曲を担当し、歌詞は県内で防災活動を行う「徳島ゆらし隊」や県危機管理部が携わった。動画には、徳島市のダンス教室「ときめきダンスカンパニー四国」の子どもらも出演しており、県公式ユーチューブチャンネルとインスタグラムで視聴できる。
県庁ではこの日、三原さんや同部職員、同教室の子どもら17人がダンスを披露した。女児(9)は「阿波おどりの部分がお気に入りで、楽しく踊れた」と話し、三原さんは「災害時に子どもたちが自分で考えて行動できるよう工夫した。家族や地域の人と一緒に踊ってほしい」と呼びかけた。
河川増水想定の救出訓練
徳島板野署と板東東部消防組合、県情報通信部は、北島町の今切川河川敷で水陸両用車や救命用ボートを使った要救助者の救出訓練を行った。
若手署員らを中心に、計34人が参加し、訓練は巨大地震によって堤防が損壊し、河川が増水したとの想定で実施した。
河川敷に設置された合同指揮所で、情報通信部の機動通信課員が映像を撮影して同署3階に設置した対策本部と共有する中、署員らが現場の状況や要救助者の情報をホワイトボードに書き込みながら整理した。
救出訓練では、消防職員らを乗せた水陸両用車が川岸から入水し、川の対岸付近に置かれた要救助者の人形に近づいて救助した。県警の救助用ボートに乗った署員らは、がれきが散乱する狭い場所に要救助者が取り残された想定で人形を助け出した。
同署の潮裕雄警備官は「実践的な訓練を通じて連携を確認できた。いつどこで起きてもおかしくない災害に対応できるよう、備えを強化していく」と話した。



